米国政府がTSMCの南京工場への米国製半導体製造装置の輸出を許可

TSMCは、同社の中国・南京工場(TSMC Fab 16)に米国製の半導体製造装置を輸入するための2026年の年間ライセンスを米国政府から取得したとロイターが12月31日付で報じている。

TSMCの直近の2025年第3四半期の中国市場での売上高は、以前より減ったとはいえ、全売上高の8%を占めており、日本市場での売上高の2倍の規模である。

  • 中国南京にあるTSMC Fab16

    中国南京にあるTSMC Fab16 (出所:TSMC)

すでに先行してSamsung ElectronicsとSK hynixが中国工場向け半導体製造装置の輸出許可の承認を米国政府より得たことを韓国メディアが伝えているが、今回のTSMCの件についてロイターは、「中国政府が半導体メーカーに対し、新たに生産能力を増設する際は国産設備を最低でも50%使用するよう求めている」との中国業界関係者情報を伝えている。

この規則は文書化されていないが、工場の新設・拡張について国の承認を求める半導体メーカーは数カ月前から調達入札を通じて、最低でも半分は中国製の設備を使用することを証明するよう指示されているという。ただし中国当局は、供給状況に応じて一定の柔軟性も認めており、国内で開発された設備が十分にそろっていない高度な半導体生産ラインでは要件が緩和される場合があるという。なお、これは中国政府からの公式発表ではなく、中国の半導体関係者の情報に基づいた情報である点に注意が必要である。

NVIDIAが中国向けH200の増産をTSMCに要請

また、TSMCと中国の絡みではNVIDIAが、中国市場向けGPU「H200」に対する需要に応えることを目的に、生産の増強を打診したことも並行して報じられている。米国政府が2025年12月に方針転換し、輸出許可を出したためで、売価は1個2万7000ドルを予定しているという。

  • NVIDIAの「H200 GPU」

    NVIDIAの「H200 GPU」 (出所:NVIDIA)

中国の半導体業界関係者によると、中国のテクノロジー企業は200万個以上のH200を発注しているが、NVIDIAが現状で保有している在庫は70万個ほどであり、追加分のH200の生産は2026年第2四半期より開始される見込みだという。

なお、中国政府は、中国内で開発中のAI半導体の保護と育成のためにH200の輸入許可を出していない模様で、この追加生産はNVIDIAにとってリスクとなる可能性があるという。