旭化成エレクトロニクスが火災の影響を受けた半導体工場の譲渡を決定

旭化成エレクトロニクスは12月24日、2020年10月に火災事故が生じた後、半導体製造工場としての活用を停止していた宮崎県延岡市の半導体工場を旭有機材に2026年2月2日付で譲渡することを決定したと発表した。

半導体製造装置向け材料の生産拠点として活用を予定

同工場は火災前はアナログ・デジタル混載LSIを主に製造していたが、5階建ての家屋の5階部分については、天井の崩落などの損傷が激しいため、減築を行い4階建てへと変更を行ったほか、補修工事などを行い、工場建屋の利用として必要な対応が進められてきた。

これらの取り組みと並行して、半導体前工程工場の利用ではなく、開発拠点としての利用や旭化成グループにおけるLSI以外の製造拠点としての利用、他社への譲渡なども含めて、幅広い活用に向けた可能性の検討が進められてきたという。

その結果、旭有機材に施設を譲渡することが最適であるとの決定に行きついたとする。今回の譲渡対象は、対象施設ならびに付帯施設。土地の所有者は旭化成とのことで、譲渡の対象外としている。

なお、旭有機材では、同施設を同社が手掛ける半導体製造装置向け小型精密バルブ「Dymatrix」や流量制御機器「FALCONICS」の生産拠点として約175億円をかけて整備することで、これらの半導体製造装置向け材料の生産能力を現在の約3倍に高める計画だとしている。