元Intel(インテル) CEOのPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏が率いる半導体スタートアップのxLightが、米ドナルド・トランプ政権より最大1億5000万ドルの投資を受ける。
元Intel(インテル) CEOのPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)氏が率いる半導体スタートアップのxLightが、米ドナルド・トランプ政権より最大1億5000万ドルの投資を受ける。米国立標準技術研究所(NIST)が12月1日に発表した。投資は株式によるもので、政府がxLightの筆頭株主になる可能性が高いという。
「ムーアの法則を目覚めさせる」 - ゲルシンガー氏
xLightは、チップ製造プロセスである極端紫外線(EUV)リソグラフィーの改善に取り組んでいる。この分野では現在、オランダのASMLが独占しているが、xLightは米国の国立研究所で開発した実証済みの技術である自由電子レーザー(FEL)を活用する粒子加速器駆動の世界最強レーザーを用いる。
この光源をASMLの装置に統合する計画だという。ホームページでは、2028年までに最初のシリコンウェハの生産を目指しており、完全なプロトタイプを構築中とある。
ゲルシンガー氏は2024年にインテルを解任後、xLightの取締役会長に就任、Wall Street Journalに対し「(キャリアは)まだ終わっていない。この挑戦は私にとって非常に重要な意味を持つ」として、継続して半導体製造技術の革新に挑む思いを語っている。
ASMLが現在使用する最先端レーザーは約13.5nm(ナノメートル)の波長だが、xLightのレーザーは2nmまでの精密な波長を目標としている。この精度を達成できれば、チップメーカーはさらに小さな微細線を刻むことができ、ムーアの法則に沿った軌道を半導体業界が続けるのに役立つ可能性がある。ゲルシンガー氏は「われわれはムーアの法則を目覚めさせるためにここにいる」と語っている。
今回の取引は、第2期トランプ政権下で初のCHIPS法による支援となる。商務長官のHoward Lutnick氏は提携について「チップ製造の限界を根本的に書き換えることができる技術を支援するもの」と述べている。