中国のファウンドリ大手SMICが、2025年第3四半期(7〜9月)の決算を発表した。それによると売上高は前四半期比7.8%増、前年同期比9.7%増の23億8182万ドルとなったという。
売上高を国・地域別で見ると、中国86.2%、米国10.8%、欧州ほか3.0%と前年同期とほぼ変化はなく、米国向けが10%を切るような傾向も見られない。
また、アプリケーション別で見た場合、スマートフォン(スマホ)向けがメモリ不足の影響で前四半期比で減収となった一方、コンピュータ・タブレット、コンシューマー・エレクトロニクス、コネクティビティ&IoT、産業・自動車向けのそれぞれは、中国政府による国産半導体への代替政策の推進もあり増収となった。また、中国で発売されるアプリケーションの性能向上が進んでいることもあり、これが製品ミックスの改善に繋がったともしている。そうした動きもあり、口径別の売上高比率は、300mm(12インチ)が77%、200mm(8インチ)が23%となっている。
営業利益は前年同期で倍増
同四半期の営業利益は、前四半期比2.3倍、前年同四半期比2.1倍の3億5107万ドルとしているほか、粗利益率は前四半期から1.6ポイント増、前年同期から1.5ポイント増の22.0%と上昇している。稼働率も前四半期より3.3ポイント増の95.8%と上昇したという。このほか、研究開発費は、前四半期比11.7%増、前年同期比13.2%増の2億315万ドル、設備投資は四半期としては過去最高となる23億9400万ドルとしており、積極的な生産能力の増強を行っていることがうかがえる。
同四半期の営業利益が大幅増となっている背景は、第2四半期に計上された新生産ラインの立ち上げ費用がなくなったこと、ならびに生産能力増強が計画よりも遅れていることに伴う工場稼働率の上昇、そして製品ミックスの改善などが挙げられている。
第4四半期の売上高は横ばいか微増
なお、2025年第4四半期のガイダンスとして、売上高は前四半期比0〜2%増、粗利益率は18%~20%との見通しを示している。この結果、2025年通年の売上高は前年比15%超の成長率となる見込みである。SMICの主力は単価の安いコンシューマ向けなどであるため、売り上げの成長率はそこまで高くないものの、中国政府の推し進める半導体の自給率向上に向けた政策を後押しに業績を伸ばすことに成功していると見ることができる。
蘭Nexperiaは11月19日、オランダの「物資供給法」に基づく管理措置の介入を一時中止するとの通告を同国の経済省から受け取ったと発表し、世界規模の車載半導体不足問題は収束に向かいそうであるが、中国内で後工程だけではなく前工程製造も可能なレガシー単体半導体製品までも、中国資本とはいえオランダ企業に依存していたことが浮き彫りとなった。米国の対中半導体輸出規制強化と相まって、外国製半導体の国産化推進策が一段と強化される見込みで、SMICにとって追い風となるだろう。
