Yole Groupが車載関連の調査レポート「Automotive Computing and AI 2025(車載コンピューティングおよびAI 2025)」を発行した。
それによると、車載プロセッサ市場は2024年に89億ドル規模であったが、2030年まで年平均成長率(CAGR)14%で成長し、2030年には198億ドル規模にまで拡大すると予測されるという。
車載プロセッサは、大きくADASとインフォテインメントの2つのセグメントに分かれ、2024年はADASが約40億ドル規模、インフォテインメントが約50億ドル規模としている。今後のけん引役はADASで、CAGR19%で成長し、中でもセントラルコンピューティング関連がSDVに伴う集中型アーキテクチャの進展に伴い2030年までに主要セグメントになると予想している。そのためセントラルコンピューティングは2024年の20億ドル規模から、2030年には80億ドル規模に成長する見込みだとする。また、ADASの進化に伴うレーダーとLiDARが拡大する一方、フロントカメラ用プロセッサは非内蔵型のサテライトカメラへの移行が進み横ばい傾向としている。
インフォテイメント用プロセッサ市場は、AIアシスタント、テレマティクス、V2Xの普及拡大でCAGR8%で成長する見込みだが、全体としては自律走行とインフォテインメントの高性能化ニーズにより、今後10年間で車両アーキテクチャが再構築されるとYoleでは見ている。
中国勢がADASチップの自社開発を推進
ADAS関連の処理を担う車載プロセッサについてはTeslaのほか、中国勢のBYDやNio(上海蔚来汽車)、Xpeng(小鵬汽車)などの新興OEMが独自チップの設計を進めている。一方、NVIDIAも従来型サプライヤとして市場をけん引しているほか、Huawei、Horizon Robotics、BlackSesameが中国で勢いを増し、競争環境を再編する動きを見せている。
ADAS分野のトップシェアはLiteチップ(大衆車向けADASに最適化したSoC)とスケーラブルな高性能チップの両方で事業を展開しているMobileyeで36%。レーダーとLiDARはFPGAからAPUへと移行しており、Texas Instruments、NXP Semiconductors、およびカスタムOEM設計が台頭している。インフォテインメント分野では、Qualcommがシェア45%と急成長し、ルネサス エレクトロニクスとNXPを上回り、ADASとインフォテインメント・プラットフォームの融合を牽引している。
集中化とAIが自動車用プロセッサの将来のアーキテクチャを推進
車載プロセッサは、5nmや3nmプロセスに基づく集中型アーキテクチャにより、性能をデータセンターレベルに近づけつつある。今後、チップレット技術の活用が、柔軟性、安全性、そしてサプライチェーンのレジリエンスを実現することとなり、市場の再構築を促し、OEMやティア1に次世代車両向けにカスタマイズされたプロセッサを開発する新たな機会をもたらすとYoleでは予想している。



