三菱電機は10月6日、独自の空中プロジェクション光学技術にデジタル映像処理技術を融合した新たなデジタル光学技術を活用することで、高輝度・高精細でリアルな映像を空中に表示する空中ディスプレイ「CielVision(シエルビジョン)」を開発したことを発表した。
空中ディスプレイの課題
高い臨場感と没入感を提供できる空中ディスプレイの活用が期待されるようになっているが、現在、その多くは低コストの再帰反射方式であり、光損失の大きい再帰反射材やハーフミラーを使用するため映像が暗く、解像度が低下するため視認性が低いという課題があるほか、等倍光学系であるため、大きな映像を表示するにはその分大きな表示装置を必要とするため、適用できる範囲が限られているという。
自由曲面ミラー1枚で空中にクリアな映像表示を実現
そうした課題を踏まえ同社は今回、自由曲面を反射面とする光学素子である自由曲面ミラー1枚のみで、クリアな映像を空中に表示することを可能にした独自の空中プロジェクション光学技術に、空中映像の歪曲を補正するデジタル映像処理技術を組み合わせることで、高輝度・高精細で歪みのない空中映像表示を実現するディスプレイ技術を実現したという。
同ディスプレイは、2D表示に加え、空中映像重畳機能により両目に視差画像を同時に表示することで、裸眼で視認可能な3Dでの空中映像表示を実現したとするほか、従来方式を採用した空中ディスプレイに比べてスリム化できるため高い可搬性も提供するとのことで、こうした特長により従来は適用が難しかったシーンへの空中映像の適用が可能になるとする。例えば、高輝度であることが求められる屋外、また壁や頭上だけでなく通路の中央など、利用者の視界により近い任意の空間への案内表示などが可能となるため、道路や公共機関の案内表示などに適用することで、利用者の直感的な意思決定をサポートするなどの活用が見込まれると同社では説明している。
なお、同社では今回の開発成果の一部について10月14日~17日にかけて幕張メッセにて開催される「CEATEC 2025」に出展するとのことで、ゴーグルやヘッドセットなどのウェアラブル機器を装着することなく、空中映像の立体感を楽しむことができる「CielVision(3D)」も体験可能だとしている。
