ispaceは、将来の月探査ミッションに向けて同社が開発を進める“軌道間輸送機”の活用可能性の評価、およびMoonlight計画上の通信・ナビゲーションサービスの活用について、イタリアの宇宙サービス事業者・Telespazioとの間で、技術的・商業的な協業を目的とした意向表明書を締結した。

  • (左から)ispace EUROPE CEOのJulien-Alexandre Lamamy氏、Telespazio CEOのGabriele Pieralli氏、Leonardo Managing Director of Space DivisionのMassimo Claudio Comparini氏、ispaceのExecutive Fellow 斉木敦史氏、Telespazio COOのGiuseppe Aurilio氏

    (左から)ispace EUROPE CEOのJulien-Alexandre Lamamy氏、Telespazio CEOのGabriele Pieralli氏、Leonardo Managing Director of Space DivisionのMassimo Claudio Comparini氏、ispaceのExecutive Fellow 斉木敦史氏、Telespazio COOのGiuseppe Aurilio氏

Telespazioは、欧州宇宙機関(ESA)が推進する「Moonlight Lunar Navigation and Communication Services」(LNCS)プログラムにおける主契約者として、月探査を支援する通信・ナビゲーションサービスを提供する衛星コンステレーションの開発を主導。Moonlight計画による衛星コンステレーションは、1基あたり約400~600㎏の衛星計5基で構成し、2段階の時期に分けて打ち上げることで、月探査を支える基盤インフラの確立をめざしている。

今回、その取り組みの一環として、ispaceとTelespazioが協力することで意向表明書(LOI:Letter of Intent)を締結。この協業は、ルクセンブルクに拠点を置くispaceの欧州法人・ispace EUROPEを通じて実施する。

ispaceは2023年と2025年の2度の月ミッションを通じて、月周回軌道へのランダー(着陸船)の投入技術を実証済み。同社が保有するランダーの開発技術から派生して開発される、軌道間輸送機(OTV:Orbital Transfer Vehicle)を活用し、Moonlight計画で使用される衛星コンステレーションを月周回軌道まで輸送するサービスの提供可能性を検討する。

今回の合意には、通信の接続性や航法のナビゲーション、月面データの活用といった潜在的なサービスの検討も含んでいる。両社は、月面通信やナビゲーションサービスの商業化を加速させるためのビジネスモデルやシナジーの創出をめざす。

  • ispaceが開発検討を進めているOTVのコンセプトイメージ

    ispaceが開発検討を進めているOTVのコンセプトイメージ

Telespazioは、伊Leonardoと仏Thales社の出資比率67:33による合弁企業。宇宙サービス事業者としての事業領域は、宇宙システムの設計・開発・打ち上げサービスから衛星の軌道上運用管理、地球観測、統合通信、衛星航法・測位サービス、科学ミッションまで多岐にわたる。

同社はこれまでGalileoやEGNOS、Copernicus、COSMO-SkyMed、Moonlightといった主要な宇宙プログラムへの参画を通じ、60年以上にわたり蓄積してきた技術力と自社インフラを活かし、各分野で重要な役割を担ってきたという。Thales Alenia Spaceとは「スペース・アライアンス」(Space Alliance)を構成する戦略的パートナーであり、2024年には売上高7億5,000万ユーロを達成。15の国に約3,300名の従業員を抱える。