200℃以下かつ窒素雰囲気下で焼結可能な銅ペーストを発売

ノリタケは9月11日、半導体モジュールの回路形成用途向けに200℃以下かつ窒素雰囲気下で焼結が可能な銅ナノ粒子を含むペースト、およびスラリーを発売した。

プリント基板の回路形成における課題

現在、プリント基板の製造における電子回路形成プロセスでは、基板全体に銅膜を形成した後に不要な部分を薬品で除去することで回路パターンを形成するが、除去された銅の多くが廃棄されるほか、薬品も腐食性が高いため、環境への影響を軽減することを目的に削減が求められるようになっている。

銅ペーストの印刷による回路形成手法は、そうした薬品を用いないこと、ならびに必要な部分のみ印刷を行うため材料の使用量削減などができることから、注目を集めるようになっているが、現状、配線形成時には300℃を超す高温で焼結する必要があり、熱によるダメージで基板に反りが生じたり、劣化したりする可能性が指摘されている。特に積層化や薄型化が求められる先端半導体分野は、精度を高めるために基板の反りや劣化を抑えることが重要であり、より低温での焼結が可能な銅ナノ粒子を用いたペーストの開発が求められていたという。

北大開発の銅ナノ粒子をノリタケの製造技術でが量産

同製品はそうしたニーズを踏まえて、北海道大学(北大)が開発した銅ナノ粒子を、ノリタケの微粒子製造技術により製造量を拡大したことで製品化に成功したもの。従来の銅ナノ粒子には、粒子表面に有機物や酸化銅被膜が存在して、それが焼結を阻害するため、それらを除去するために水素ガスやギ酸ガスなどを300℃以上で焼結する手法が用いられてきたが、同製品では粒子の表面に還元されやすい特殊な被膜を形成することで、低温焼結かつ不活性ガスである窒素雰囲気下で焼結することを実現しており、反りや劣化を抑制できるようになるほか、水素ガスなどの可燃性ガスを不要にしたことで安全上の管理負担の軽減も図ることができるようになるともしている。

また、銅ナノ粒子は粒径100nm以下で均一化したものを分散技術を活用してペースト中に分散させているため、粒子同士が隙間なく密に並び、焼結後の配線を緻密に形成することも可能としたともする。

  • 銅ナノ粒子のSEM

    粒径100nm以下で均一に揃っている銅ナノ粒子のSEM(走査電子顕微鏡)像 (出所:ノリタケ)

なお、同製品の販売においては、グローバルネットワークを有する三菱商事および三菱商事のグループ会社であるMC山三ポリマーズの販売網と連携して顧客開拓を進めていく予定としている。