Intel株式を米国政府が取得
Intelは8月22日(米国時間)、「米トランプ政権と米国の技術・製造業のリーダーシップを加速させる歴史的合意に至った」とする声明を発表した。
トランプ大統領は8月11日に、ホワイトハウスにてIntelのLip-Bu Tan CEOと面談した際に、「Intelは商務長官らと協議の上、来週中に提案を持ってくることになった」と話していた。
Intelは、今回の合意に基づき、米国のテクノロジーおよび製造業におけるリーダーシップの継続的な拡大を支援することに合意し、一方の米国政府はIntel普通株式に89億ドルを投資し4億3330万株(1株あたり20.47ドル)、同社株式の9.9%を取得することを決めた。これは、重要な国家課題の推進におけるIntelへの政権からの信頼と、米国内半導体産業の拡大におけるIntelの重要な役割を反映したものだという。
Intelへの米国政府の総投資額は111億ドルに
政府の株式保有は、米国「CHIPSおよび科学法」に基づきすでに交付済みで未払いとなっている助成金57億ドルの残額と、Secure Enclaveプログラムの一環として同社に交付された32億ドルによって賄われる。IntelはSecure Enclaveプログラムにおける義務を引き続き履行し、米国国防総省に信頼性とセキュリティの高い半導体を提供するというコミットメントを改めて表明。今回の89億ドルの投資は、Intelがこれまでに受領したCHIPS法の助成金22億ドルに加えられるものであり、米国政府のIntelへの総投資額は111億ドルとなる。
Intelは、今回の投資について、米国の納税者は現在の市場価格(8月22日15時点の同社株価は25.15ドル)よりも割安な価格でIntelを買収できると同時に、米国および既存株主はIntelの長期的な事業成功による恩恵を受けることができると説明している。
この米国政府によるIntelへの投資は、受動的な所有形態であり、取締役会への代表権やその他のガバナンスおよび情報権は付与されないほか、米国政府が限られた例外を除き、株主の承認を必要とする事項について、同社の取締役会に同席して議決権を行使することにIntelとトランプ政権は同意しているという。また、米国政府は、Intel普通株式の5%を追加取得するために、1株当たり20ドルで5年間のワラントを受け取ることになるが、これはIntelがファウンドリ事業の少なくとも51%の所有をやめた場合にのみ行使できるとしている。
さらに政府がCHIPS法に基づきIntelにこれまで給付された22億ドルの補助金に関連する既存の回収および利益分配規定は、同社が米国投資計画を進める中で資本の永続性を確保するため廃止されることになったともしている。
Intelは過去5年間で、資本金1080億ドル、研究開発費790億ドルを投資しており、その大部分は米国における製造能力とプロセス技術の拡大に充てられているとしている。実際、同社は現在、米国内の半導体製造能力の拡大を図っており、すでに1000億ドル以上を投じている。アリゾナ州で進められているプロジェクトは、米国で最も先進的な半導体製造技術を備え、今年後半に量産を開始する予定である。
なお、Tan氏はCEO就任以来、財務体質強化、規律ある業務執行の推進、エンジニアリング重視の企業文化の再構築に向けた行動を進めてきたと強調しており、今回の合意もIntelの将来に向けたより広範な戦略を支えるものだと説明している。