大容量と広帯域を両立したフラッシュメモリモジュール
キオクシアと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月20日、容量5TBで64GB/sの帯域幅を実現したフラッシュメモリモジュールの試作に成功したことを発表した。
同研究は、NEDOの委託事業である「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」として実施されたもの。AIの活用、特に推論がエッジ側で行われるようになりつつあるが、そうしたエッジの端末の1つの種類としてMEC(Multi-access Edge Computing)サーバの活用が期待されているが、高度なAI活用の時代に対応できる性能向上およびメモリモジュールの大容量化ならびに広帯域化が求められるようになっている。
同委託事業は、そうした将来のニーズに対応することを目的として進められたものとなる。
独自技術で低遅延化も実現
試作メモリモジュールでは、大容量化と広帯域化の両立を図ることを目的に、一般的な複数のフラッシュメモリをバスで接続するのではなく、コントローラを介して数珠繋ぎするデイジーチェーン接続とすることで帯域を確保しつつ、大容量化を実現することに成功したという。
また、メモリコントローラ間のデイジーチェーン接続には、配線数抑制を目的に、パラレル接続ではなく、差動信号を用いた高速シリアル通信を適用したとするほか、広帯域化するために、多値変調方式PAM4を採用することで、メモリコントローラ間の128Gbpsでの高速通信を低電力で実現したとする。
さらに、メモリモジュールに搭載するフラッシュメモリの読み出し遅延改善を目的に、連続アクセス時にデータを事前に読み出すことで遅延時間を最小限に抑えるフラッシュプリフェッチ技術を開発し、コントローラに実装したとするほか、メモリコントローラとフラッシュメモリ間のインタフェースに信号低振幅化とゆがみ補正・抑制技術を適用することで、帯域を4.0Gbpsに高速化することにも成功したともする。
試作されたフラッシュメモリモジュールには、これらの128GbpsのPAM4高速・低電力通信技術とフラッシュメモリ性能改善技術が適用されたほか、サーバとのホストインタフェースにはPCIe 6.0(64Gbps、8レーン)を採用。消費電力は40W以下で動作できることを確認したという。
なお、キオクシアでは、今回の研究成果の社会実装に向けて、エッジでのIoT・ビッグデータ解析や高度なAI処理に加え、生成AIなど新たな市場トレンドを捉えて、早期の実用化・事業化を推進していきたいとしているほか、NEDOとしても、今後もポスト5Gに対応した情報通信システムの中核となる技術を開発することで、日本のポスト5G情報通信システムの開発および製造基盤の強化を目指すとしている。

