2025年のロバート・N・ノイス賞はTSMCの会長と前会長が受賞
米国半導体工業会(SIA)は7月28日(米国時間)、TSMCの会長兼CEOであるC.C.Wei氏と、TSMCの元会長兼元社長兼共同CEOのMark Liu氏が、半導体業界で功績を挙げた人物に贈られる「Robert N. Noyce賞(ロバート・N・ノイス賞)」の2025年度共同受賞者として選出したことを発表した。
SIAの同賞は、半導体業界において技術面や公共政策面で顕著な貢献を果たしたリーダーを表彰することを目的としたもの。Noyce氏は、Intelの共同創業者で集積回路の発明者として知られている人物。
SIA社長兼CEOのジョン・ニューファー氏は、「C.C.Wei氏とMark Liu氏は、半導体業界の巨匠であり、米国および海外において現代の半導体エコシステムを再構築し、半導体製造技術に革命をもたらした。先見の明のある両リーダーは、合わせて80年以上にわたる業界経験と専門知識を活かし、半導体イノベーションを推進する先駆的な研究を主導してきた」と述べている。
両氏ともに台湾の大学卒業後に渡米して経験を蓄積
Wei氏は、TSMCの会長兼最高経営責任者(CEO)に就任する以前の2018年6月から2024年6月のかけて同社CEOを務めたほか、それ以前の2013年11月から2018年6月まで社長兼共同CEO、2012年3月から2013年11月までは共同最高執行責任者(COO)を務めてきた。TSMCには1998年の入社で、その前は、シンガポールChartered Semiconductor Manufacturingにて技術担当シニアバイスプレジデント、STMicroelectronicsでロジックおよびSRAM技術開発担当シニアマネージャーを務めた。それ以前は、Texas Instrumentsの研究開発部門で技術スタッフを務めていた。同氏は、台湾国立交通大学で電気工学の理学士号を取得しているほか、米イェール大学にて博士号を取得している。
一方、Liu氏は、2018年6月から2024年6月までTSMCの会長を務めた人物。それ以前は、2013年11月から2018年6月まで社長兼共同CEO、2012年3月から2013年11月まで共同最高執行責任者(COO)、 2009年から2012年まで業務担当上級副社長を務めていた。TSMC入社以前前は、米AT&Tベル研究所の高速エレクトロニクス研究所の研究マネージャーとして光ファイバー通信システムに取り組んでいたほか、1983年から1987年までは、IntelにてCMOS技術開発のプロセス統合マネージャーを務めていた。同氏は、国立台湾大学で電気工学の理学士号、米カリフォルニア大学で電気工学とコンピュータサイエンス分野の修士号と博士号を取得している。
両氏に共通しているのは、台湾の大学卒業後に渡米して博士号を取得。その後、半導体企業や研究所で経験を積んだのちにTSMCに入社した国際人であるということであろう。TSMCの現在の国際的競争力や世界進出の進め方を見ると、彼らのそうした経験や知見が役立っているものと考えられる。
