半導体市場動向調査会社であるTrendForceによると、大手DRAMサプライヤ各社が2025年から2026年にかけてLPDDR4Xの大幅な生産削減ならびに停止を検討しているが、エントリーレベルのモバイルプロセッサの多くが次世代のLPDDR5Xと互換性がなくLPDDR4Xの調達を増やしているため、需給の不一致が続いており、契約価格の上昇を招いているという。

そのためTrendForceでは少なくともLPDDR4Xの価格上昇傾向は2026年初頭まで続き、LPDDR5Xの普及が加速する段になってようやく落ち着くものとの予想を示している。また、ミドルレンジクラスのモバイルプロセッサではLPDDR4X/LPDDR5Xの両方をサポートするが、価格面での折り合いと政府補助金に支えられた中国のDRAMサプライヤからの供給により、スマホブランドの多くがLPDDR4Xを採用してきたという。しかし、現在のLPDDR4Xの供給ひっ迫という状況下にあって、スマホメーカー各社がLPDDR5Xへの移行を検討しているものの、LPDDR5Xへの移行には5Gへの対応をインフラ回りでも進める必要があるなど、業界全体の変革が必要になる可能性が高いという。

LPDDR5Xは2026年にスマホへの採用が加速

TrendForceでは、2025年のモバイルDRAMのビット生産量全体の約42%をLPDDR4X、残りの58%がLPDDR5Xになると予測している。LPDDR4Xの需給バランスの変化による価格上昇の継続は、結果としてLPDDR4XとLPDDR5Xの価格差を2025年第3四半期に急速に縮めることとなり、今後の数四半期で逆転する可能性もあるとする。また、2026年にはLPDDR5Xの供給状況が改善するため、契約価格がLPDDR4Xを下回ることが予想されるともする。

  • モバイル向けLPDDR4とLPDDR5のビット生産比率

    モバイル向けLPDDR4とLPDDR5のビット生産比率 (出所:TrendForce)

DDR6は2027年に普及が加速

規格標準化団体であるJEDECは主要なDDR6規格のドラフトを2024年後半に完成させたほか、2025年7月9日にLPDDR6規格を発表した。すでにDRAM大手各社はDDR6の開発競争を繰り広げており、2027年にも大規模な採用が進むことが予想されるとする業界筋の見方を台湾メディアの中時新聞網が伝えている。

DDR6はDDR5の2倍あるいは3倍の速度、8800MT/sから始まり最大17600MT/sに達する可能性がある規格で、すでに大手各社ともにチップ設計、コントローラの検証、パッケージモジュールの統合に注力しているほか、プロトタイプチップの設計も完了済みで、現在、IntelやAMDなどのメモリコントローラおよびプラットフォームベンダと連携したインタフェーステストに取り組んでいるという。

DDR6は、2026年の次世代CPUにてサポートが開始され、AIサーバ、HPCシステム、ハイエンドラップトップなどでの採用が見込まれており、これらのプラットフォームのテストと検証は2026年より開始される予定だという。

DDR6は構造的にマルチチャネル設計に移行し、DDR5の2×32ビット構成に対して4×24ビットのサブチャネルを備えることで、並列処理、データフロー、帯域幅の利用率の向上が期待されている。また、JEDECによって標準化が進められているCAMM2(Compression Attached Memory Module 2)により従来の288ピンDIMMスロットの物理的な限界を克服することを期待されている。