シャープは、東京ビッグサイトで開催される「第2回 SPEXA(スペクサ) -国際 宇宙ビジネス展-」(会期:7月30日〜8月1日)に出展。スマートフォンの開発で培った技術を活かして開発中のLEO衛星通信ユーザー端末や、運用支援アプリ、実証実験の取り組みなどを紹介する。出展場所は南展示棟の衛星データ・宇宙空間活用エリア(小間番号S6-34)。
LEO衛星通信ユーザー端末は、地球低軌道(LEO:Low Earth Orbit)を周回する人工衛星と通信するアンテナやモデム機能などを統合した端末で、デュアルキャリアに対応。スマホ開発で培った小型・軽量化技術や通信技術を活用して開発を進めているという。
ブースでは、海上や山地などのセルラー通信が困難な場所において、リアルタイムでのデータ通信や位置情報の送信、遠隔操作などを実現するといった活用シーンを紹介する。また、災害時などにおける企業の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)用途としても提案。さらに、次世代の現場ソリューションに向けた取り組みとして、ドローンへの搭載も可能な超小型サイズのコンセプトモデルも参考出展する。
白色のフラットパネルデザインを採用し、使用周波数は送信が14~14.5GHz、受信が10.7~12.7GHz。双方向通信を可能にするハーフデュプレックス方式に対応する。G/Tは9dB/K、EIRP(デュアルキャリア)は+36.6dBW。視野角は方位角が360度、天頂方向が±65度。IP66相当の防塵・防水性能を備え、動作温度は-40度~+55度。本体サイズは約446×446×66mm、重さは約7kg。
LEO衛星通信ユーザー端末の円滑な運用や管理を支援する、専用アプリケーションも参考出展。端末の状態や周辺の障害物の有無、衛星の位置などをモニタリングできるほか、障害が発生した際は対処方法を表示するので、メンテナンス作業も効率的に実施できるとする。
このほか、LEO衛星通信ユーザー端末の小型・軽量な特長を活かし、船舶や自動車に搭載して実施した実証実験の内容を紹介。実用性や課題の検証を通して、さまざまな状況下における安定的な通信の実現に向けて開発を加速しているという。