64MHz動作のモータ制御用32ビットArmマイコンをルネサスが発売
ルネサス エレクトロニクスは7月9日、同社の32ビットArmマイコン「RAファミリ」のエントリーレベル製品シリーズ「RA2」として、64MHz動作が可能なモータ制御用製品「RA2T1」を発表した。
モータ制御に最適化した周辺機能を多数搭載
同製品は、Cortex-M23コア(最大動作周波数64MHz)を搭載したほか、64KBのフラッシュメモリ、8KBのSRAM、2KBのデータフラッシュといった各種メモリに加え、ブラシレスDC(BLDC)モータの三相電流値を同時に検出できる3チャネルのサンプル&ホールド(S&H)機能を備えた12ビットA/Dコンバータ(ADC)や、デッドタイムの自動挿入や非対称パルス幅変調(PWM)の生成を可能にする、相補PWMモードを備えたタイマなど、シングルモータ制御に最適化した周辺機能を搭載しているという。
これらのほかにもモータ制御用途における安全性を強化するための各種機能を搭載しており、例えばポートアウトプットイネーブル(POEG)機能と高速アナログコンパレータを組み合わせ、過電流を検出した際にはPWM出力を即座に遮断することが可能だとしており、この遮断時の出力状態は、インバータの仕様に応じて選択することも可能だとしている。
ターゲットは電動工具や生活家電
ターゲットは、電動工具や掃除機、扇風機、冷蔵庫、プリンタ、ヘアドライヤなどのシングルモータ制御の産業・民生機器としており、用途に応じて7mm×7mmの48ピンLQFP、7mm×7mmの32ピンLQFP、7mm×7mmの48ピンQFN、5mm×5mmの32ピンQFN、4mm×4mmの24ピンQFNパッケージを選択することができるようになっている。
なお、同製品はすでに量産を開始済み。開発環境としてブラシレスDCモータを使ったモータ制御の評価を簡単に行うことができる「Renesas Flexible Motor Control Kit for RA2T1 MCU Group」および開発支援ツール「Renesas Motor Workbench」に対応しているほか、さまざまなRTOSやBSP(Board Support Package)、周辺ドライバ、ミドルウェア、コネクティビティ、ネットワーク、セキュリティスタックなどの基本ソフトウェアに加え、複雑なAI、モータ制御、クラウドのソリューションを構築するためのリファレンスソフトウェアなどを提供することで、迅速なアプリケーション開発を可能にする同社の「Flexible Software Package(FSP)」を利用して開発することが可能としている。