小型かつ高効率な車載用降圧コンバータをSTが発売

STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、最小0.6Vの電圧で最大6Aの出力電流を供給できる小型かつ高効率の降圧電源設計向け車載用降圧コンバータ「DCP0606Y」を発表した。

同製品は、ハイサイドおよびローサイドMOSFETと、ゲートドライバ回路、制御ロジック回路、保護機能、ソフトスタート回路を3mm×2mmのQFN48パッケージに集積したもので、最小限の外付け部品で設計を完了することができるという特徴を有している。また、1つの抵抗器でスイッチング周波数を1.8MHz、2.25MHz、3.5MHz、または4MHzに設定できるため、小容量のコンデンサや小型のインダクタを使用できるほか、内蔵の周波数ディザリングでEMIのピークを低減できることに加え、外部ピンから低消費電力/低ノイズの動作モードを選択できるため、さらなる最適化が可能だという。

さらに、Power Good機能や、イネーブルピン、ソフトスタートピンを備えており、出力電圧のトラッキングと電源シーケンス調整として使用することも可能だとしているほか、同製品を用いて構成された電源は平均効率が高く、最大の負荷電流で93%に達すること、ならびに軽負荷時にはパルススキッピング動作によって効率を最大化できるため、静止電流10μAで、あらゆる動作条件において消費電力を削減することができるとしている。

など、同社では同製品についてテレマティクス、ヘッドアップ・ディスプレイ、インフォテインメント、マルチメディア/カメラのデジタル回路コア電源、ADAS電源など、高電流・低電圧のポストレギュレーションが必要なアプリケーションに最適だと説明している。すでに量産を開始済みで、単価は1000個購入時で約0.95ドル。製品開発の簡略化と期間短縮が可能な評価ボード「STEVAL-0606YADJ」も提供済みだという。