JX金属子会社の東邦チタニウムの生産設備増強が完了
JX金属は6月23日、次世代半導体向けCVDならびにALD材料における需要の増加に向けた供給体制の強化として、子会社である東邦チタニウムの茅ヶ崎工場で進めていた生産設備増強が完了し、フル操業を開始したことを発表した。
CVDやALDは先端ロジックプロセスや3D NAND、1Xnm世代のDRAMプロセスなどといった微細化や多層化を実現するために欠かせない半導体製造工程であり、その生産量の増大に併せて材料ニーズも拡大している。その一方で、プロセスの微細化に伴う、従来素材の配線抵抗の増加やノイズの増大に対する新規材料の採用による解決なども進められている。
次世代半導体プロセスでの活用が期待されるモリブデン
JX金属では、CVDやALD材料として従来、配線間ビアホールやコンタクトホール向けに用いられてきたタングステンの変わる次世代プロセス向け材料としてモリブデン化合物を製造しており、同社では自社保有の高純度化技術による不純物の低減により、歩留まりの向上も期待できるようになると説明している。
また、同社では国内拠点のみならず、2024年11月よりグループ企業でドイツに拠点を有するTANIOBISにて、多様なCVD・ALD材料の開発・生産が可能な設備を稼働させており、グローバルな供給体制の強化による安定供給と事業継続性を実現する体制整備を進めてきたとする。そのため、今後もこうした、これまでのスパッタリングターゲットなどで培ってきた知見と、グローバルネットワークを活用する形でCVD・ALD材料事業の拡大を図っていきたいとしている。
なお、JX金属では自社の茨城事業所においても生産設備導入を進めており、今後見込まれる一層の需要増大に対しても対応を進めていくとしている。