GFが米国の製造能力拡充に160億ドルの投資を決定
GlobalFoundries(GF)は6月4日(米国時間)、トランプ政権と協力する形でサプライチェーンの重要製品の米国内生産を目指す大手テクノロジー企業の支援を受け、ニューヨーク州の本社工場ならびにバーモント州(旧IBMバーモント工場)における半導体製造ならびに先端パッケージングの製造能力拡充に160億ドルを投資する計画を発表した。
GFでは、この取り組みについて、Apple、AMD、Qualcomm Technologies、NXP Semiconductors(Freescale Semiconductorを買収)、SpaceX、General Motors(GM)といった大企業の支援を受ける形で、米国での半導体生産の強化とグローバルサプライチェーンの多様化を目指すものだと説明。また、同社は米国防総省認定の信頼できる半導体サプライヤであり、サプライチェーンのセキュリティ確保の鍵となる存在となるともしている。
FD-SOIのほか、先端パッケージやシリコンフォトニクスにも投資
同社は現在、米国ではニューヨークに22FDX(22nmのFD-SOIプロセス)とシリコンフォトニクスの製造拠点を、バーモントにGaNベースの電力ソリューションの開発拠点を有しているが、今回の決定は、既存の米国での事業拡大計画に基づくものであり、2つの拠点の施設の拡張および近代化に130億ドルを投じるほか、ニューヨークに最近開設した先端パッケージングおよびフォトニクスセンター(シリコンフォトニクス・パッケージング専用施設)へも投資を行う。また、残りの30億ドルについては、先端パッケージング、シリコンフォトニクス、次世代GaN技術に重点を置いた先進的な研究開発イニシアチブを中心とした投資としており、これらの取り組みを通じて米国における半導体リーダーシップを強化し、AI、航空宇宙、自動車、高性能通信分野におけるイノベーションを加速させていく計画だとGFでは説明している。
なお同社は今回の投資について、データセンター、通信インフラ、AI対応デバイス全体にわたって電力効率と高帯域幅性能を実現するように設計された次世代半導体の需要を加速させているAIニーズへの戦略的な対応だと説明している。また、同社のTim Breen(ティム・ブリーン)CEOは、「AI革命は、GFの先進的なシリコンフォトニクスや電力アプリケーション向けGaNなど、未来のデータセンターを支えるGFが提供する技術に対する堅調かつ持続的な需要を促進している。一方、エッジにおいては、GF独自のFDXテクノロジーが、低消費電力でAI機能をサポートする独自の位置付けにある。これらすべてのテクノロジーとその他多くのテクノロジーを米国で製造することで、GFは米国の半導体リーダーシップの加速に貢献できることを誇りに思う」と述べている。