旭化成は5月26日、AIサーバー用などの先端半導体パッケージの製造工程で使用される新規感光性ドライフィルム「サンフォート TAシリーズ」(TAシリーズ)を開発したことを発表した。
AIサーバー用などの先端半導体のパッケージに適用されるインターポーザ―やパッケージ基板には、大面積化・高多層化に加え、高密度な微細配線の形成技術の高度化が求められている。そうした微細配線の形成において、再配線層(RDL)用のフォトレジスト材料としては、解像度の観点からこれまで液状レジストが主流となっていたとのこと。パネル適合性や取り扱いの簡便性、基板上下面での同時処理が可能な点など多くの利点を持つ感光性ドライフィルムは、解像度の観点からRDL形成には用いられてこなかったという。
そうした中、2027年までを見据えた中期経営計画で重点成長事業の1つにエレクトロニクス事業を位置付けている旭化成は、電子材料事業と電子部品事業の2つの事業体から構成される同事業のうち、前者を担う中核製品の1つとして感光性ドライフィルムのサンフォートを開発してきたとする。
そして旭化成は今般、急成長する次世代半導体パッケージング市場の需要に対応するため、同社が長年培ってきた感光性材料技術と新たな材料設計をもとに、TAシリーズの開発に成功した。
同製品はRDLの形成に求められる4μmピッチデザインにおいて、LDI(レーザダイレクトイメージング)露光でのレジスト幅1.0μmのパターンが形成可能だといい、パネルレベルパッケージなどの微細配線形成に適しているとのこと。また得られた微細レジストパターンについては、SAP(セミアディティブプロセス)によるメッキパターン形成とレジスト剥離に寄り、4μmピッチデザインにおいて3μm幅のめっきパターンの形成が可能だという。なお同社によれば、TAシリーズは従来のStepper露光方式にも対応しており、多様化が続く微細配線形成の工程に新たな選択肢を提供するとした。
旭化成は、TAシリーズがさまざまな露光方式において高い解像性を実現することで、パッケージング工程における基板への微細回路パターンの形成能力向上に貢献するとし、サンフォートの提供を通じて、重要性が高まるパネルレベルパッケージング技術の開発に今後も貢献するとしている。