2024年の半導体製造装置市場は前工程、後工程ともにプラス成長

SEMIは4月9日(米国時間)、2024年の半導体製造装置(新品)の市場規模が前年比10%増の1171億ドルとなったとの調査結果を発表した。

それによると、前工程装置としてはウェハプロセス用処理装置が同9%増、その他の前工程装置分野も同5%増となったという。特に、先端および成熟ロジック、先端パッケージング、HBMの生産能力拡大に向けた投資が増加したことに加え、中国の投資の増加が背景にあるという。

一方の後工程装置も2022年、2023年とマイナス成長となっていたが、2024年はAIおよびHBMの製造の複雑化と需要の高まりを追い風に力強い回復を見せたとのことで、組立およびパッケージング装置が同25%増、テスト装置も同20%増と2桁成長を果たしたという。

2024年の国・地域別トップは中国

国・地域別で見ると、2024年のトップは積極的な生産能力の拡大および国内半導体チップの生産強化を目指す政府の支援イニシアチブを追い風に投資を継続している中国で、同35%増の495億5000万ドルとしている。2位はHBMの需要急増を背景に設備投資を推進した韓国で同3%増の204億7000万ドル、そして3位は台湾だが、生産能力の拡張に向けた需要鈍化の影響があり同16%減の165億6000万ドルとなった。市場シェアでみると、中国が42.3%、韓国が17.5%、台湾が14.1%で、これら上位3市場だけで世界市場の74%を占める巨大市場となっている。

4位は北米で、国内製造および先端プロセスへの投資が加速したことで、同14%増の136億9000万ドルとなった。5位は日本だが、主要な最終製品市場の成長鈍化の影響があり、同1%減の78億3000万ドルにとどまった。

6位は欧州で、日本同様に経済の停滞の影響から、自動車ならびに産業分野の需要低迷の影響を受け、同25%減の48億5000万ドルと落ち込むこととなった。

そして東南アジアを中心とするその他地域は、新興市場での新興市場での半導体チップ生産の増加に支えられた結果、同15%増の41億9000万ドルと伸ばしたという。

  • の国・地域別の半導体製造装置市場

    2023年と2024年の国・地域別の半導体製造装置市場 (出所:SEMI/SEAJ、2025年4月)

なお、同調査の詳細は、SEMIと日本半導体製造装置協会(SEAJ)が共同で、それぞれの会員企業から提出されたデータを集計した世界半導体製造装置産業の月次販売額の統計レポートである「世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)レポート」に掲載されているという。