STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、産業用PCのペリフェラル入出力ポートやPLC、NCマシンなどに適用可能な独自のVIPower技術を採用した4chインテリジェント・パワースイッチとして「IPS4140HQ/IPS4140HQ-1」の2製品を発表した。

2製品ともに8mm×6mmの実装面積でチャネルあたり80mΩのオン抵抗(max)と10.5V~36Vの動作電圧範囲を実現。IPS4140HQでは0.7A、IPS4140HQ-1では1.0Aのプリセット電流制限があり、最大41Vの印加電圧に耐えることでシステムの安全性と信頼性を向上させているという。

また、チャネルごとの保護および診断機能もあり、短絡保護のほか、温度検出機能を内蔵しており、各チャネルが過負荷になると個別に回路をオフにして再起動できるため、システムレベルでのフォールトトレラント特性を高め、自動復帰を簡略化させることができるとする。さらに、ケースの過熱を検出すると、デバイス全体を停止させた後、チャネルを順番に再起動することで電源への過剰なピーク電流を回避できるとするほか、チャネルごとに専用のオープン・ドレイン出力ピンを備えているため、過熱状態を示す信号を外部に出力させることができるという。

加えて、短絡保護や出力電流制限、過低電圧ロックアウト(UVLO)、グランド断線保護、入力過電圧保護などの保護/診断機能を搭載しているほか、出力電圧クランプにより誘導性負荷を高速に消磁させることができるともする。

このほか、単一チャネルあたり最大2.5Jのシングル・パルス・アバランシェ・エネルギー(EAS)に耐えることができるとするほか、入出力ピンは5Vおよび3.3Vのロジックと互換性があり、過渡電圧耐性はIEC 61000-4規格のIEC 61000-4-2(静電破壊)、IEC 61000-4-4(バースト)、IEC 61000-4-5(サージ)に準拠し、EMCノイズレベルは産業用機器向けのIEC 61131-2規格に準拠しているという。

なお、2製品ともにすでに8mm×6mmのQFN48パッケージで量産出荷を開始しており、単価は1000個購入時で約2.59ドルとしている。

  • IPS4140HQ/IPS4140HQ-1

    IPS4140HQ/IPS4140HQ-1のパッケージ外観イメージ (提供:STMicroelectronics)