STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は3月10日(欧州時間)、次世代の組込みシステムを量子コンピュータの攻撃から保護する汎用 /セキュアマイコン向けとなるハードウェア暗号化アクセラレータおよび関連ソフトウェアライブラリを発表した。
量子コンピュータが活用されるようになりつつあることを踏まえ、量子コンピュータでは解決が難しい数学的問題に基づく新しい技術を活用し、ポスト量子暗号(PQC)を標準化するための新しい政府仕様が登場してきており、そうして公開されたPQC規格には、高い耐性を備えたハッシュアルゴリズムで、同社が開発したKeccakアルゴリズムも含まれているという。
今回発表された、これらの規格に準拠した新たなソリューションは、同社のマイコン「STM32シリーズ」を使用する製品開発者がソフトウェアライブラリ「「X-CUBE-PQC」上で利用することができるほか、SHA-3アクセラレータを搭載した車載用マイコン「Stellar」でも利用が可能だという。
また、セキュアマイコン向けにソフトウェアライブラリとハードウェアIPも提供されており、セキュアマイコンでは、Common CriteriaとFIPS 140-3を対象とし、ML-KEM、ML-DSA、XMSS/LMS PQCアルゴリズムをサポートするという。
なお、今回発表されたポスト量子暗号アセットはすでに使用可能な状態となっており、同社ではファームウェアの更新や、セキュアブート、認証メカニズムなど、製品の重要なセキュリティ機能に量子耐性を持たせることができるようになると説明している。