ルネサス エレクトロニクスは3月27日、同社の車載用ビデオ&ディスプレイ製品としては初めて、機能安全規格ISO 26262のASIL Bをサポートした多機能LCDビデオプロセッサ「RAA278830」を発売した。

  • 「RAA278830」のパッケージイメージ

    多機能LCDビデオプロセッサ「RAA278830」のパッケージイメージ (提供:ルネサス)

同製品は、巡回冗長検査(CRC)、パリティ、ビルトインセルフテスト(BIST)およびデータパス全体に実装された冗長性セーフティメカニズムを採用することで、機能安全規格 ISO 26262のASIL Bをサポートしたほか、ビデオタイミングやシグナルインテグリティ、コンテンツの入出力の監視、ならびに、ちらつき、点滅、オクルージョン(遮蔽)、グレア(まぶしさ)の検出といったビデオ画像の診断機能を搭載したことで、堅牢な車載ディスプレイシステムの開発を可能としたという。

また、スペクトラム拡散によるシステムレベルのEMI低減を可能としつつ、イメージエンハンスメントエンジンによる優れた画質を実現。デュアルLVDS(Open-LDI)入出力に加えて、I2CおよびSPIの設定が可能、SPIフラッシュからのブートが可能でマイコンが不要といった特徴も有しているほか、SPIフラッシュについては、フェイルセーフなOTA(Over-The-Air)アップデートを可能とするためのマルチバンクサポートも備えているとする。

なお、同社では同製品について、ビデオ画像の診断機能により、入力した画像のフリーズ、色の異常、動画の中断や破損、ちらつきや点滅を検出できることから、ヘッドアップディスプレイ(HUD)やデジタルインストルメントクラスタ、カメラモニタリングシステム(CMSおよび電子ミラー)といった映像データを扱う車載アプリケーションに最適としており、R-CarなどのIVI用SoCから出力された映像信号を実際に表示する前に介することで、車載ディスプレイシステムの安全性向上を実現することができるようになると説明している。