住友ゴム工業は、ドイツ・ドレスデン工科大学との共同研究で、タイヤの耐久性能に関わる要因である「ゴムの破壊メカニズム」を解明したと3月19日に発表。この研究を継続し、摩耗しにくいタイヤの開発につなげるとしている。

  • ゴム材料のき裂現象の発生メカニズム

同大学のGert Heinrich教授が所属している、ライプニッツ高分子研究所(Leibniz Institute of Polymer Research Dresden)との共同研究で明らかになったもの。同氏はポリマー材料とエストラマー技術分野での世界的権威として知られる。

今回の研究成果は、3月6~7日に米国フロリダ州オーランドで開催された、化学分野の専門家が集まる世界最大の科学団体である米国化学会(American Chemical Society)による招待講演で発表された。

ゴム材料に生じる割れ目や裂け目が進行する「き裂現象」は、タイヤの耐久性能を決定する重要な要因。従来は引き裂き試験などでゴムの耐久性を評価していたが、き裂先端のミクロスケールでの構造変化については分かっていないことが多かったという。

今回の研究ではシミュレーション技術を駆使し、ゴムのき裂先端にかかる力を解析し、き裂を決定する要因を明らかにした。き裂先端では膨張変形を受け、ボイド(物体に含まれる微小な空洞)が発生。ボイドは成長して合一することで、き裂のさらなる悪化につながる。一方でボイドの発生により、き裂先端に集中する応力が低減することも分かったという。

住友ゴム工業では、ボイドの分散状態を変えた際の力の分布と、き裂特性について研究を継続。耐摩耗性能を向上させ、環境負荷も少ないタイヤの開発を進めるとしている。