SK hynixは3月19日、広帯域メモリ(HBM)の最新世代かつ最高層となる12層のHBM4(12Hi HBM4)のサンプル出荷を主要顧客に対して開始したことを発表した。
このサンプル出荷は予定よりも早く行われたとのことで、顧客向け認証プロセスを開始。2025年下半期中に量産準備を終えることを目指すという。12Hi HBM4は2TB/sの帯域幅を実現しており、これは前世代のHBM3E比で60%以上の高速化だという。
また、12層HBM製品の中でも最大の36GBという容量を実現するために、独自コア技術「Advanced MR-MUF(Mass Reflow Molded Underfill)」プロセスを採用。同プロセスは、チップの反りを防ぎ、放熱性を向上させて製品の安定性を向上させることが可能な技術だという。
GTC 2025で最先端メモリ技術を展示
また同社は、3月17日から21日まで米国カリフォルニア州サンノゼで開催されているNVIDIAのテクノロジーカンファレンス「GTC 2025」にて、最先端のAIメモリテクノロジーの展示を行っている。
ブースのテーマは「MEMORY、POWERING AI and TOMORROW」で、AI革新を加速させるメモリ製品として、AI/データセンター(DC)、HBM、オンデバイス、自動車の4つのセクションに分けて展示。HBMセクションにて12層HBM4の公開を行ったという。
また、AI/DCセクションでは、大規模データ処理やストレージに最適化されたエンタープライズSSD(eSSD)のPEB110、PS1010、PEB9010などのほか、DC向けDIMMとしてDDR5 RDIMMやMRDIMMなどを展示。さらに、GDDR7やDDR5ベースのCXL 5製品「CMM-DDR5」や、AIサーバ向け低消費電力DRAMモジュール「SOCAMM」などといった紹介も行っており、中でもSOCAMMについては市場の立ち上がりに合わせる形で開始する予定で、LPDDR5Xやサーバメモリでの強みを生かし、AIメモリポートフォリオを拡充していくとしている。
このほか、同社は12層HBM3Eについて、NVIDIA GB200 Grace Blackwell Superchipとともに展示を行っているともしている。
オンデバイスセクションでは、LPDDR6やLPCAMM2などのオンデバイスとAIアプリ向けにカスタマイズされた製品群を紹介しているほか、自動車セクションでは、業界向けにカスタマイズされたHBM2E、LPDDR5、UFS 10 3.1、第4世代SSDなど、さまざまな車載メモリソリューションを展示しているとする。
なお同社はプレゼンテーションセッションやオンラインセッションでも登壇しており、AI技術が急速に進化を続ける中、メモリの役割が重要になっていくことを踏まえ、AI時代に最適化されたメモリソリューションを展開していくことで優位性を発揮し続けていくために、今後も世界のAI企業との連携強化などを図っていくとしている。