2024年第4四半期(10~12月期)の半導体企業売上高ランキングを、半導体市場調査会社の米Semiconductor Intelligence(SI)が発表した。

このランキングは、2025年2月中旬までに公表された半導体を外販する(ファウンドリは含まず)各社の第4四半期決算データに基づいて、未発表企業分は各社のガイドラインを採用してSIが順位付けしたもの。

同四半期の売上高トップはNVIDIAだが、集計時の値は事前ガイダンスのもの。同社は2月26日に2025年会計年度第4四半期(2024年11月~2025年1月)の決算を発表。それによると、ガイダンスを5%上回る前四半期比12%増の393億ドルとして、存在感を示した。

NVIDIAを含め、ランキングとして記載されているのは16社。同四半期の業績は好不調入り混じるもので、16社中9社が前四半期比でプラス成長を遂げた。中でもNVIDIA(確定値)、SK hynix、Qualcomm、AMDの4社はAI半導体およびHBM需要の追い風を受ける形で2桁%の成長率を達成している。

一方、残りの7社はマイナス成長となっており、中でも自動車や産業機器の比率が高い11位のInfineon Technologiesと16位のルネサス エレクトロニクスは2桁%の減収となった。これらの結果、トップ16社全体では同4%増に留まることとなった。また、ルネサスのほか、日本勢としては14位にキオクシアがランクインしている。

  • 2024年第4四半期(10~12月期)の半導体企業売上高ランキングトップ16

    2024年第4四半期(10~12月期)の半導体企業売上高ランキングトップ16。成長率は自国通貨ベースで集計 (出所:SI)

2025年第1四半期はマイナス成長か?

SIの集計では、2025年第1四半期の売上高ガイダンスを公表している企業12社のうち8社が前四半期比で減収を見込んでいる(NVIDIAは後の決算発表時に同9.4%増のガイダンスを提示)。マイナス成長の背景としては、季節性の動きに加え、過剰在庫、需要低迷、減産、経済の不確実性などが挙げられており、ガイダンス提示12社を合計した成長率は同9%減となる。

同社によると、過去10年間で半導体市場は閑散期の第1四半期と繁忙期の前年第4四半期を比べるとマイナス成長は9回で、平均で同5%減となるとのことで、2025年第1四半期の見通しは平均的な成長の鈍化よりも悪いように見えるという。

しかし、2025年通期で見た場合、過去3か月の間に主要な市場調査会社各社が発表した予測を見ると、SIの前年比7%増からIDCおよび英Future Horizonsの同15%増まで各社プラス成長との予測が示されている。

  • 世界の主要市場調査会社による2025年通期の半導体市場成長率予測

    世界の主要市場調査会社による2025年通期の半導体市場成長率予測 (出所:SI)

各社予測のうちSIだけが1桁%の成長率だが、この点について同社はAIサーバの成長は続くが、その伸びが鈍化する可能性が高いこと、ならびにスマートフォンやPC、自動車などの主要セグメントの弱含みが続くこと、米トランプ大統領による関税引き上げに伴う世界経済の不透明感が半導体需要の低迷につながる可能性があることを挙げている。

なお、2023年10月から2024年3月初旬のWSTSの公式発表までの間に公表された各調査会社の2024年の半導体市場予測のうち、WSTSの同19.1%にもっとも近かったのは2023年11月に同20.2%同と予測したIDCで、次いで2024年2月に同18%と予測したSIとなる。同期間の他社の予測は5~16%の範囲で、実際の成長率より低く予想したものが多かったという。