NVIDIAは2月26日(米国時間)、2025年会計年度第4四半期(2024年11月〜2025年1月)の売上高が前四半期比12%増、前年同期比78%増の393億ドルとなり、四半期別の売上高として過去最高を更新したことを発表した。

総売上の9割を占める主力のデータセンター向け事業の売上高が、前四半期比16%増、前年同期比93%の356億ドルと過去最高を更新した。また、2025年会計年度(2024年2月〜2025年1月)通期の同事業の売上高も前年度比142%増の1152億ドルと、こちらも過去最高を更新。これに伴い、通期の全体売上高も同114%増の1305億ドルとなり、過去最高を更新する結果となった。

純利益については、第4四半期が前四半期比14%増、前年同期比80%増の221億ドル。通期が前年度比145%増の729億ドルとなり、いずれも過去最高を更新した。

  • 2025年会計年度第4四半期(2024年11月〜2025年1月)の決算概要

    2025年会計年度第4四半期(2024年11月〜2025年1月)の決算概要 (出所:NVIDIA)

  • 2025年会計年度(2024年2月〜2025年1月)の決算概要

    2025年会計年度(2024年2月〜2025年1月)の決算概要 (出所:NVIDIA)

また2026年会計年度第1四半期(2025年2月〜4月)の見通しについては、売上高を前年同期比65%増も430億ドル(±2%)と予想しており、2025年も継続して業績は好調とみる強気の予測が見て取れる。

その他の部門別売上高はゲーム/AI PC向けが第4四半期は前四半期比22%、前年同期比11%減の25億ドル、通期は前年度比9%増の114億ドル。プロフェッショナル向けが第4四半期は前四半期比5%増、前年同期比10%増の5億1100万ドル、通期が前年度比21%増の19億ドル。自動車/ロボット向けが第4四半期は前四半期比27%増、前年同期比103%増の5億7000万ドル、通期が前年度比55%増の17億ドルとなった。

ガートナーのランキングとの売上高の差の謎

Gartner(ガートナー)が発表した2024年の半導体企業売上高ランキングでは、NVIDIAは459億9000万ドルで3位となっている。しかし、NVIDIAが実際に発表した年間売上高は1305億ドルであり大きく差がある。会計年度が暦年ではないことを加味しても説明が付く差ではない。

ポイントは、NVIDIAの発表にはTSMCに製造委託しているGPUのみならず、搭載した製品であるボードやシステムも含まれ、そこには他社から調達したHBMや周辺チップも含まれているという点であろう。一方、ガートナーは数字の由来を明らかにしていないが、おそらくファウンドリに製造委託している自社ブランドのGPUのみ計上しているものと思われる。ただし、NVIDIAは半導体チップだけの数字は公表するつもりはないと言っているため、あくまでもガートナーの推測値とみられる。

おそらく、いずれ発表されるほかの市場調査会社の2024年半導体企業売上高ランキングでは、NVIDIAが他社を抑えたトップ企業として記載されると見られる。ただし、TechInsightsでは、TSMCの事業規模を示すために、ファウンドリの売上高を含むが、それ以外はダブルカウントを避けるため除外している。売上高ランキングというのは、単純のようでいて、実は半導体搭載商品や特許料収入、ハードウェアに付随するソフトウェア収入、他社からの受託生産分を含めるか否かなどの定義によって、売上高も順位も変わりうるので、各社のランキングが一致しないことがある点に注意が必要である。