Windows Centralは2月18日(米国時間)、「Microsoft puts Notepad's Rewrite feature behind a paywall|Windows Central」において、Windows 11のメモ帳に有料の機能が追加されたと伝えた。

有料の機能とはメモ帳に搭載された新機能の「Rewrite」を指しており、利用するにはMicrosoft 365 PersonalまたはFamilyサブスクリプションに加入する必要があるとして、「事実上の有料化」と指摘している。

  • Microsoft puts Notepad's Rewrite feature behind a paywall|Windows Central

    Microsoft puts Notepad's Rewrite feature behind a paywall|Windows Central

メモ帳の新機能「Rewrite」とは

「Rewrite」は生成AIを活用し、文章の変換、口調の調整、コンテンツの長さ変更などを可能にする機能。AI(Artificial Intelligence)の助けを借りて、文章をシームレスに強化することができる。

現在は米国、フランス、英国、カナダ、イタリア、ドイツのユーザーにプレビュー版を提供している。また、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール、台湾、タイのMicrosoft 365 PersonalおよびFamilyサブスクリプション、Copilot Proサブスクリプションのユーザーにもプレビュー版が提供されている。

日本は対象外となっており、現時点では機能を確認することができない。また、上記の国のユーザーも、AIクレジットを取得または購入しなければ機能を利用することはできない。

プライバシーに懸念も

Rewriteを利用するにはアカウントにひもづけられたAIクレジットを必要とすることから、Microsoftアカウントによるサインインが必要となる。WindowsReportは2月17日(現地時間)、「Notepad will gather your data if you log in with a Microsoft account」において、Microsoftアカウントでサインインすると情報を収集されるとして懸念を示した。

サインインしていないユーザーがRewriteの使用を試みると、次のメッセージが表示されるという。

メモ帳でRewriteとその機能を使用するには、Microsoftアカウントでサインインしてください。サインインするとMicrosoftはAIの安全性とセキュリティを目的として、リクエストに関する情報を収集します。

しかしながら、Microsoftはこの件についてサポートサイトで次のように述べており、データはプライベートかつ安全だとしている。

RewriteはオンラインのAzureサービスを使用して、テキストの選択とカスタマイズオプションに基づいたコンテンツの処理および生成を行います。Azureサービスはコンテンツを処理し、生成されたテキストをユーザーに返送します。Microsoftのオンラインサービスは、処理後のテキストや生成されたコンテンツを保存しないため、ユーザーデータはプライベートかつ安全に保たれます。

Rewriteはオプトアウト可能

ユーザーの作業を効率化する「Rewrite」は便利な機能だ。しかしながら、すべてのユーザーが必要としているわけではない。幸いなことに、機能を必要としないユーザーは従来のメモ帳として無料のまま利用を継続可能。また、Windows CentralによるとRewriteはオプトアウト可能で、機能を無効にするとアイコンを非表示にできるとされる。

MicrosoftはCopilot+ PCなどのAI搭載PCを推進しており、今後もこの流れは継続するものと予想される。AI機能はメモ帳にとどまらず他の製品にも拡大し、その利用にはAIクレジットが必要になるとみられる。AIを必要としないユーザーはさまざまな通知に煩わしさを覚えることになるが、技術の発展をある程度受け入れることが望まれている。