SEMIは2月18日(米国時間)、TechInsightsと共同で発行する調査レポート「Semiconductor Manufacturing Monitor」の最新版において、2024年の半導体設備投資額は2024年前半は減少したものの、第4四半期の力強い回復により、通期では前年比3%増となったことを発表した。
それによると、2024年第4四半期は、メモリ分野に対する設備投資が前四半期比53%増、前年同期比56%増と急増したほか、非メモリ分野に対する設備投資も前四半期比19%増、前年同期比17%増と伸びたという。この傾向は少なくとも2025年第1四半期も持続し、広帯域幅メモリ(HBM)の生産能力拡大を中心に、全体として前年同期比16%増と好調が続く見込みだという。
また、半導体製造装置市場をセグメント別で見ると、2024年第4四半期はウェハファブ装置(WFE)が前四半期比8%増、前年同期比14%増となったほか、後工程装置もテスト装置が前四半期比5%増、前年同期比55%増と、組み立て・パッケージング装置も前年同期比15%増といずれも伸長したという。2025年第1四半期については、WFEの販売額が約260億ドルと予測されるほか、テスト装置ならびに組み立て・パッケージング装置も前四半期比で6~8%ほどの成長が予想されるという。
このほか、ウェハファブの生産能力は、2024年第4四半期でファウンドリおよびロジックで前四半期比2.3%増、メモリが同1.1%増となり、全体として四半期当たり4200万枚(300mmウェハ換算)まで拡大したという。また、2025年第1四半期については、ファウンドリおよびロジックが先端プロセスを中心に生産能力が増加することに加え、メモリもHBMの旺盛な需要にけん引される形で同1%程度の伸びが維持されることが予想されるため、全体の生産能力は4270万枚/四半期近くまで増加することが予想されるとしている。
なお、半導体が主に搭載される電子機器市場は2024年に前年比2%増、2024年第4四半期は前年同期比4%増となったほか、2025年第1四半期も同1%増と予想されている。また、ICの売上高も2024年第4四半期が前年同期比29%増となったほか、2025年第1四半期も同23%増と成長が続くと予想されているが、TechInsightsの市場分析ディレクターであるBoris Metodiev氏は「年明けの当社の予想では、下半期に業績が改善すると予測しており、半導体売り上げは上半期に横ばい、下半期に2桁の成長が見込まれます。ディスクリート、アナログ、オプトエレクトロニクスのメーカー各社は、依然として在庫の問題があり、大幅な成長の再開を期待するには、まずこの問題に対処することが必要です」と慎重な見方を示しているほか、SEMIの市場情報担当シニアディレクタであるClark Tseng氏は「季節性やマクロ経済の不確実性という問題はありますが、AIが主導する投資の勢いは、メモリ、設備投資、WFEなど、主要セグメント全体にわたる拡大を引き続き推進しています。2025年も、業界は引き続き慎重ながらも楽観的であり、ハイパフォーマンス・コンピューティングとデータセンター拡張の継続的需要に牽引された力強い成長が見込まれます」と、2025年もAIを中心とした市場の成長が続くとの見通しを示している。