ルネサス エレクトロニクスは2月6日、2024年12月期の第4四半期決算概要を発表した。
それによるとNON-GAAPベースの同四半期売上高は前年同期比19.2%減、前四半期比15.3%減の2926億円、売り上げ総利益率は54.9%、営業利益は前年同期比34.7%減、前四半期比23.4%減の754億円(営業利益率25.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益(純利益)が前年同期比26.8%減、前四半期比16.4%減の719億円となった。
この結果、2024年12月期通期の業績は売上高が前年比8.2%減の1兆3485億円、営業利益は同20.7%減の3979億円、純利益は同16.7%減の3604億円と、減収減益となった。
第4四半期の業績について同社では、前回予想よりも上振れした点について、為替がプラスに働いた影響が6割ほどとするほか、予想時点において織り込んだ部材供給の停滞リスクがリカバリ施策などで想定よりも少なくで済んだためだとする。また、売り上げ総利益率も事前予想よりも上振れしたが、こちらについては事前予想の時点で減産を急激に行った影響で、製造費用が下がり切らないと想定していたものが、うまく抑制できたとところと、その生産減に伴うIP費用やロイヤリティ費用の抑制が予想を上回ったため改善できたとする。営業利益率も事前予想を上回ったが、こちらについても売り上げの増加に伴う利益の改善とOPEX(事業運営費)が予想比で改善したことなどが要因となっているとする。
また、同四半期をセグメント別の業績で見ると、自動車向け事業は売上高が前四半期比19.8%減の1488億円、売り上げ総利益率が同1.5ポイント減の50.6%、営業利益率が同0.2ポイント増の30.7%、一方の産業・インフラ・IoT向け事業は売上高が同11.0%減の1408億円、売り上げ総利益率が同0.8ポイント減の59.8%、営業利益率が同6.3ポイント減の20.3%としている。
工場稼働率に関しては、事前の見通しでは30%程度としていたが、最終的には35%弱で着地したとする。2025年第1四半期については、ダイバンクの補充など、第4四半期で止めていた仕掛りを増やしていく計画であることから、稼働率を全体で40%強まで引き上げる予定だとしている。
その2025年第1四半期の業績見通しは売上高(中央値)は前年同期比12.2%減、前四半期比5.6%増の3090億円±75億円、売り上げ収益は前四半期比で円安の影響がプラス方向に5.7%ポイントあり、それを除くと0.1%減となる見通し。さらに、Altiumの連結影響に伴い2.3%ポイントほどマイナスに振れるため、Altium分を除いたデバイス売り上げ収益は2.2%のプラスとなるとする。自動車、産業・インフラ・IoTともに増収を見込むとしている。Altiumのマイナス分は2025年第1四半期より、売り上げおよび収益認識のルールを変更することに伴うことによるもの。ソフトウェアにおけるサブスクリプション販売の割合が増加しており、従来の契約時に売り上げを認識するという方式から、契約期間にわたっての売り上げを認識していくという方式に変更するためだという。
なお、同社取締役 代表執行役社長 兼 CEOの柴田英利氏2025年通期について、「だいぶ落ち着いた見通しとなってきたので、本当の意味で先々の成長を引っ張っていくような取り組みにかなり腰をすえて、短期的なところに惑わされずに集中的に取り組んでいく1年にしたいと思っている」とする抱負を交えて、「深呼吸をして少し落ち着いたというのが足元の状況。全体的には底を打って、少しずつ市場は回復していくと思う」との見通しを示しており、劇的な動きはないものの、着実に成長を果たしていくことを目指す姿勢を強調している。