ダイヤモンド半導体デバイスの研究開発を行う早稲田大学(早大)発スタートアップの「Power Diamond Systems(PDS)」は1月17日、三菱UFJキャピタルが運用するファンドを引受先とする第三者割当増資により、約1億円の資金調達(2ndクローズ)を実施したことを発表した。

ダイヤモンド半導体はSiCやGaNなどの化合物パワー半導体以上の特性を有する究極のパワー半導体材料とも呼ばれ、その実用化に向けた研究開発が世界中で進められている。

PDSは2022年に、早大理工学学術院の川原田洋 教授が発明した独自の水素終端チャネル形成技術や酸化シリコン終端チャネル形成技術、縦型ダイヤモンドトランジスタ作製技術の要素技術を活用したパワー半導体デバイスやそれを活用したモジュールなどの実用化に向けて設立されたベンチャー企業。三菱UFJキャピタルは、これまでにも同社に出資を行っており、今回の追加出資は、前回の出資後に開発体制の構築、有力アカデミアとの連携、画期的な研究成果などの優れた進捗があり、今後それらをさらに加速させていくというPDSの取り組みを受けたものとなるという。

なお、PDSでは、今回調達した資金について、ダイヤモンド半導体デバイス、モジュール開発への投資、組織体制のさらなる強化、国内外のパートナーとの協業・連携体制の構築を進めていくことに活用するとしており、こうした取り組みを進めていくことで、ダイヤモンド半導体の社会実装に向けた取り組みの加速を図っていきたいとしている。