ルネサス エレクトロニクスは1月8日、従来のスーパージャンクション構造でなく、新たに開発したスプリットゲート構造のプロセス(REXFET-1)を採用したNチャネルMOSFETとして、TOLLパッケージ製品「RBA300N10EANS」とTOLGパッケージ製品「RBA300N10EHPF」を発売したことを発表した。

同プロセスでは、従来プロセス(ANM2)採用製品(RBA250N10CHPF)と比較して、MOSFETがオンの状態で生じる抵抗であるオン抵抗を30%低減、ゲート総電荷量(Qg特性)を10%削減、ゲート・ドレイン間電荷量(Qgd特性)を40%削減するなど、電力損失の削減が可能になるという。

また、業界標準パッケージであるTOLLパッケージとTOLGパッケージを採用しているため他社製品とのピン互換性を確保しつつ、従来のTO-263パッケージと比べて50%の小型化を実現しているという。

さらにTOLLパッケージではウェッタブルフランク構造を採用することで自動外観検査にも対応するとしている。 なお、2製品ともにすでに量産を開始しており、同社ではこれらの特長により、スイッチング電源、モータ制御用インバータ、バッテリマネジメントシステムなど電流負荷の大きいアプリケーションにおける電力損失の削減を実現するとともに、電気自動車、電動自転車、充電ステーション、電動工具などの製品の性能向上を図ることができるようになると説明している。

  • alt属性はこちら
  • alt属性はこちら
  • スプリットゲート構造の新プロセス(REXFET-1)を採用したNチャネルMOSFET「RBA300N10EANS」と「RBA300N10EHPF」のパッケージ外観 (提供:ルネサス)