SEMIジャパンは12月9日、12月11日~13日にかけて東京ビッグサイトにて開催されるマイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2024」の開催概要を発表した。
前年から規模が拡大されての開催となるSEMICON Japan
それによると今年のテーマは「半導体の未来がここにある。」としており、出展社/団体数は12月9日の段階で1108と前年の961から150近く増加、そのためコマ数も前年の2265から2789へと500ほど増加しており、会場もビッグサイトの東展示棟すべてと会議棟すべてを利用する規模へと拡大しており、会場面積は前回の1万9595m2から2万4093m2へと5000m2へと拡張される。また、出展する国・地域も前年の19から35へと倍近い増加となっており、延べ来場見込み者数も近年の半導体への注目の高まりを踏まえ、前年の8万5282人から10万人へと引き上げられている。
SEMICON Japan 2024の開催概要。これまで出店していなかったギリシアやクロアチア、ルーマニアなど、ちょっと半導体というイメージが日本にいると浮かべにくい国からも多数出展が予定されている (資料提供:SEMI、以下すべてのスライド同様)
市場動向から前工程や後工程の技術まで網羅するセミナーも開催
セミナーも250人を超す講師が3日間で65セッションに登壇。会場も、東2ホールの中心に据えられた基調講演(キーノート)などが行われる「SuperTHEATER」のほか、東7ホールに3つの「TechSTAGE」、東5ホールと東4ホールにそれぞれ「EXHIBITORS TechSPOT」、会議棟1階に2つの「TheSUMMIT」などを用意。オープニングセッションとなる初日のキーノートには、前衆議院議員で自民党半導体戦略推進議員連盟の名誉会長を務める甘利明氏と、理化学研究所(理研)の五神真 理事長が登壇する予定となっているほか、パネルディスカッションとしてRapidusの取締役会長である東哲郎氏、NTT取締役会長である澤田純氏、デンソーの経営役員である加藤良文氏の3名が登壇する予定としている。
このほか、初日の昼からは「AIが切り開く新しい半導体市場」と題し、武藤容治 経済産業大臣をスペシャルゲストに迎え、Rapidus代表取締役社長の小池淳義氏、RapidusのパートナーであるTenstorrentのCEOであるJim Keller氏、同じくパートナーであるIBMのSenior Vice President and Director of IBM ResearchであるDarío Gil氏による各社の未来戦略が語られるほか、Intel、Micron Technology(マイクロンメモリジャパン)、Applied Materials、Lam Research、東京エレクトロンといったリーディングカンパニー各社のトップが戦略を説明するセミナーなども予定されている。この企業戦略に関するセミナーは2日目にはIntel、TSMC、レゾナックのトップが登壇する予定のものが予定されているほか、先端パッケージングの動向に関するセミナーとして、ChipletzやRapidus、ASEなどが登壇するものも予定されている。
特に先端パッケージに関するセミナーは、併催する「Advanced Packageing and Chiplet Summit」が3回目を迎えるということもあって注力しており、Intel、オムロン、日本IBMによる後工程の自動化の必要性に関するセミナーやAGCや大日本印刷、Samsung Electro-Mechanicsによるガラス基板に関するセミナー、本田技研工業やソシオネクスト、Synopsysが登壇して「ユーザー視点での3次元実装への要求などを挙げるセミナーなども開催される予定となっている。
主催者企画としてさまざまなロボットも登場
また、SEMIによる主催者企画も複数実施。中でも「SEMICON STADIUM」では、トヨタ自動車のバスケットボールロボット「CUE」、オムロンの卓球ロボット「フォルフェウス(第7世代)」、三菱電機のパズルキューブを高速で解くロボット「TOKUFASTbot」などといったロボットが展示される予定。開催3日目となる13日には卓球選手で世界卓球2023女子ダブルス銅メダリストの長﨑美柚氏、ならびに2024パリ五輪女子団体銀メダリストの張本美和氏がフォルフェウスと打ち合うデモも見ることができる。
さらに、2回目となる「分解展示&VR体験ゾーン」では、VRヘッドマウントディスプレイとして「Apple Vision Pro」「Microsoft HoloLens2」「Meta Quest 3」の分解展示と体験会が実施される予定だという。
このほか、サステナビリティに向けた取り組みとして、SEMIがグローバルで推進する植林の取り組み「SEMI Japan Forest」への参加申し込みを会場で受け付ける予定。これは、南米などの熱帯雨林に有償で植林を行う取り組みで、個人での申し込みも可能。植えた木には名前を付けることができるとのことで、その成長を見守っていき、環境保護に対する意識を紡いでいくものとなるという。
なお、来場には事前登録が必要。会場には登録用PCはないこと、ならびに登録後発行される入場バッジを印刷して持ってくる必要がある点に注意が必要である。また、紙資源の削減を目的に、今回はスマートフォン向け(iOS/Android)公式アプリが用意されており、そちらを活用することで、フロアマップの確認やセミナー情報、出展社情報などを見ることができるようになっている。