MIPSは、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転車(AV)といった最先端自動車技術向けに設計された高性能のアウトオブオーダー・プロセッサで、RISC-V RV64GCアーキテクチャを採用した「MIPS P8700シリーズ」の一般提供を開始したことを発表した。
一般的なADAS/AVソリューションは総当たり的アプローチに依存していることもあり、埋め込みコア数とクロック数の向上で性能を向上させているという。P8700では、マルチスレッドと高い電力効率を活用することで、従来ソリューション比でCPUコアの実装数を削減し、熱設計電力(TDP)の引き下げを図りつつ、性能を高めることができるようになると同社では説明している。
また、高い負荷がかかるマルチセンサプラットフォームに対応する設計により、高効率化、最適化、低電力化が実現しており、レイテンシが影響するソリューションにおいて非効率なデータ移動で発生するシステム・ボトルネックも軽減できるともしている。
対象としているのはレベル2+クラスのADAS/AVシステムで、ディープラーニングでは容易に定量化できないコアプロセッシング要素のオフロードも可能なほか、スパースモデリングによる畳み込みプロセッシング機能により負荷を軽減し、AIスタックによるソフトウェアの使用量と効率性を30%以上向上させることができるとしている。
なお、P8700コアは世界各地のOEM市場でこれまでに30モデルを超える自動車にデプロイされてきたMIPSのレガシー・マイクロアーキテクチャの上に構築された実績ある機能も備えているとのことで、すでに複数の主要OEMメーカーと協力してシリーズ生産の実現に取り組んでいるとするほか、Mobileyeなどの重要な顧客が、将来を見据えたADASなどのシステム向け製品開発の推進に賛同を寄せているとしている。