アットマークテクノは、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜にて11月20日~22日にかけて開催されているエッジテクノロジーに関する展示会「EdgeTech+ 2024」にて、10月に発表したばかりの小型かつ省電力な実装型CPUモジュール「Armadillo-900」の展示などを行っている。

Armadillo-900は、NXP SemiconductorsのSoC「i.MX 8ULP」を採用した組み込みプラットフォームで、31mm角の実装型CPUモジュール上にSoC、eMMC、DRAM、電源回路などを搭載(主なモジュール構成品はi.MX 8ULP、1GBのLPDDR4x、3.8GBのeMMC、PMIC、セキュアエレメント)。これにより、IoT機器の開発者はSoCおよびその周辺回路の設計をすることなく、要求仕様に応じたインタフェースなどを搭載したマザーボードの開発に注力することができるようになる。

  • 「Armadillo-900」

    NXP SemiconductorsのSoC「i.MX 8ULP」などを搭載したCPUモジュール「Armadillo-900」

同社でも、同モジュールを搭載したIoTゲートウェイ「Armadillo-IoT A9E」(筐体を省略したマザーボードのみのArmadillo-IoT A9E量産ボード)を提供することで、IoT機器の設計開発を支援していくとしている。

  • 「Armadillo-IoT A9E」

    右がArmadillo-900を搭載するアットマークテクノの量産ボード。もちろんユーザー側が独自にマザーボードを開発することも可能

  • 「Armadillo-IoT A9E」

    Armadillo-IoT A9Eを搭載したIoTゲートウェイ「Armadillo-IoT A9E」

また、Armadillo-900も含めて同社ではすべてのArmadilloシリーズに対して2025年春より情報処理推進機構(IPA)が運用開始予定のIoT製品に対する「セキュリティ要件適合評価およびラベリング制度(JC-STAR:Labeling Scheme based on Japan Cyber-Security Technical Assessment Requirements)」のIoT製品共通の最低限の脅威に対応するための適合基準である★1(レベル1)への適合作業を進めているとのことで、Armadillo-900も対象製品として将来的な適合を予定しているという。

なお、JC-STARの制度開始予定の2025年春に向けて、現在、同社のIoTゲートウェイとしてはArmadillo-900を搭載するArmadillo-IoT A9Eの上位機に位置づけられているi.MX 8Mplusを採用した「Armadillo-IoT G4」の適合作業が進められているとのことで、順次、ほかのArmadilloシリーズも適合を行っていくとしているほか、Armadilloを採用するIoTベンダ向けに、開発したIoT製品に対する★1への適合の検証・支援サービスも提供していく予定とのことである。

  • Armadillo-IoT G4

    アットマークテクノとしてJC-STAR★1(レベル1)の適合第1弾となる予定のArmadillo-IoT G4。ポイントは後ろのパネルに書かれている「Armadillo Base OS(ABOS)」で、JC-STAR ★1のIoT製品に対する13項目の基準に適合するためのアップデートが予定されており、将来的な★2(レベル2)以上の基準や米国のサイバーレジリエンス法などへの対応に向けたアップデートも進められていく予定とのことである