テクトロニクスは11月12日、大電力と高効率化ニーズが高まる産業界向けパワー計測ソリューションとして、「TICPシリーズ IsoVuアイソレーション型電流プローブ」ならびに「EA-PSB 20000 Tripleシリーズ 3チャンネル・プログラマブル双方向DC電源」を発表した。

TICPシリーズは、RFアイソレーション技術を採用したシャント電流プローブで、測定システムと被試験デバイス間で完全なガルバニック絶縁を実現することができるため、高電圧アプリケーションにおいて従来のプローブや他のシャント測定技術と比較して、より高帯域、より低ノイズの電流測定が提供できるという。

また、最高1GHzの周波数帯域で、ナノ秒単位で急速に変化する電流を、マイクロアンペア(μA)からキロアンペア(kA)までの広い電圧範囲で、オシロスコープを使用して正確に測定することが可能になるともしている。

同シリーズの特長は以下の通り

  • 完全なRFガルバニック絶縁により、グランド・ループを排除
  • 従来の差動電圧プローブの30倍以上のコモンモード除去比(CMRR):140dB(DC)、90dB(1MHz)
  • 超低ノイズを実現:<4.7nV/√Hz(1GHzで<150μV)(50Ω入力)
  • 周波数帯域:1GHz、500MHz、250MHzの3つのモデル
  • TekVPIプローブ・インタフェースにより、テクトロニクスの4、5、6シリーズMSOオシロスコープとシームレスに統合
  • TICPシリーズ

    TICPシリーズIsoVuアイソレーション型電流プローブ (提供:テクトロニクス)

一方のEA-PSB 20000 Tripleシリーズの3つの独立したチャンネルはそれぞれ最大10kWの電力を供給可能で、最高で920Vの電圧、340Aの電流範囲をサポートしており、これにより、ユーザーは複数のテスト設定を1台の計測器に統合できるようになるという。そのためコスト、必要な機器台数、およびテスト時間を削減できるようになるほか、電圧または電流を自動的に調整して広い動作範囲でフル電力を供給するオートレンジ機能も備えていることから、1つのユニットでさまざまな電圧と電流の組み合わせを処理することもできるようになるとしている。

同シリーズの特長は以下の通り

  • 3つの独立した完全絶縁の双方向DCチャンネル
  • DC電子負荷として機能し、エネルギー・リサイクルのために最大96%のエネルギーを回収
  • 最大30kWの総出力電力、60Vから最大920Vの出力電圧、チャンネルあたり40Aから最大340Aの出力電流
  • ガルバニック絶縁されたシェアバスによる高度な並列テスト
  • 高速CAN-FD通信インタフェース
  • 1チャンネル出力の機器と比較して必要なラック・スペースを50%削減
  • EA-PSB 20000 Tripleシリーズ

    EA-PSB 20000 Tripleシリーズ (提供:テクトロニクス)

なお、TICPシリーズの価格は150万円(税別)から、EA-PSB 20000 Tripleシリーズの価格は要問合せとなっている。