三菱電機は11月12日、電気自動車(EV)やプライグインハイブリッド車(PHEV)などの電動車(xEV)で用いられる駆動モーター用インバータ向けSiC-MOSFETチップのサンプル提供を11月14日より開始することを発表した。
サンプル提供が開始されるのは、同社独自構造を採用したトレンチ型SiC-MOSFETチップで、従来のプレーナ型SiC-MOSFETと比べて電力損失を約50%低減することが可能。これによりインバータの性能向上を図ることができるようになり、xEVの航続距離の延伸や電費改善を図ることができるようになると同社では説明している。
また、製造プロセスとしても独自のゲート酸化膜製法などを取り入れることで、電力損失やオン抵抗などの変動を抑制することで長期間の使用における品質の安定性を実現。これによりインバータの耐久性を確保し、xEVの性能維持に貢献するともしている。
なお、同製品は同社としては初めての標準仕様のパワー半導体チップという位置づけで、xEV市場拡大に向け多様化するインバータに対応し、xEVの普及につなげていくとしている。