OKIグループで信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開するOEGは、自動車や再生可能エネルギー分野を中心に需要が高まっているSiCパワー半導体固有の劣化モードを評価する「AC-BTI試験サービス」を9月26日より提供を開始した。
AC-BTIは正しくは「Alternating Current - Bias Temperature Instability」と呼ばれ、低温~高温環境下で、ゲート端子にACストレスを印加した場合のしきい値電圧などの特性変動現象として知られている。従来のシリコンベースのパワー半導体では見られない現象で、SiCパワー半導体固有の特性変動とされている。この特性変動により、SiCパワー半導体は、長期間のスイッチング動作によって、しきい値電圧が変動する事が知られているが、このしきい値電圧の変動は電力損失の増大につながることから、AC-BTI試験の重要性は認知されているものの、実際の試験規格については禁煙、策定されたばかりのため、サービスとして提供できる事業者が限られているという。
そうした背景を踏まえ、OEGでは信頼性試験に関する国際規格(JEITA EDR-4713 附属書E、JEDEC JEP195、AQG 324)に準拠した評価装置を試験装置メーカーと協力して開発。これを活用する形で同サービスを提供することとしたという。
サービスの内容としては、温度やストレス印加条件などを細かく調整できるのと同時に最大48検体を試験ボードから取り外すことなく連続試験を行うことができるため、短納期で再現性の高い試験を行うことができるという。また、従来の評価サービスと組み合わせることで、顧客のデバイスにおける信頼性確保や部品選定および製品設計を支援することができ、SiCパワー半導体のより安心な利用拡大につなげることができると同社では説明している。
なお、ターゲットとしては、SiCパワー半導体メーカーやSiCパワー半導体を使用して製品を設計する企業としており、デバイス開発やデバイス選定、製品設計の支援として同サービスとして、2026年度に年間1億円の売り上げ目指すとしている。