キヤノンは9月24日、新開発の投影レンズを搭載し、顧客の生産性向上を実現する8インチ(200mm)以下の小径ウェハ向けi線露光装置「FPA-3030i6」を発売した。

  • キヤノンのi線露光装置「FPA-3030i6」

    2インチから8インチのウェハに対応するキヤノンのi線露光装置「FPA-3030i6」 (出所:キヤノン)

同製品は、高い透過率が特長のレンズ硝材を採用することで、2021年3月に発売された従来機(FPA-3030i5a)と比べ、露光により発生するレンズ収差を2分の1以下に低減(キヤノンの標準露光時)することができるようになったことから、高照度の露光下においても、高コントラストを維持しながら露光時間の短縮を実現。また、レンズの高耐久性により、装置を長時間使用することによるレンズ透過率の低下とそれに伴う生産性の低下を抑制することも可能で、これにより各工程にかかる時間の削減も可能となり、基板処理枚数は8インチウェハの場合、従来機種の毎時123枚から毎時130枚に増加させることが可能となったという。

  • 高透過率レンズのイメージ

    従来レンズ(左)と新開発の高透過率レンズ(右)のイメージ (出所:キヤノン)

また、Siのみならず、SiCやGaNといった化合物半導体のウェハにも対応可能なほか、NA(開口数)の変化幅が従来機種の0.45~0.63から0.30~0.63へと拡大し、より小さいNAをオプションとして選択できるようになったことで、デバイスごとの最適なNAを選択する幅が広がったとする。また、直径2インチ(50mm)から直径8インチまでの幅広い基板サイズや、SiCおよびGaN以外にもGaAsやサファイアなどといったさまざまな材質、基板の厚みや反りの量にも柔軟に対応する搬送システムの有償オプションも用意されており、パワーデバイスやグリーンデバイスなど多様な半導体デバイスの製造ニーズに応えることが可能だとしている。