米国防総省は、マイクロエレクトロニクス・コモンズ(ME Commons)イニシアチブに基づく33件の新技術プロジェクトに総額2億6900万ドルを提供し、米国の半導体製造能力と労働力開発インフラを強化すると発表した。

この投資は、米国のCHIPSおよび科学法(CHIPS法)に基づき資金提供が行われ、米国の半導体製造能力を強化し、海外への依存を減らすことを目指すものとなる。ME Commonsは、国防総省が2億4000億ドルの立ちあげ資金を提供して2023年に設立されたネットワークで、全米8地域の研究・試作ハブが相互に連携して米国内で半導体試作を加速し、半導体人材の育成を行うことを目指した取り組みである。ME Commonsでは、全米8地域の研究・試作ハブに対して2023年から2027年にかけて運営に必要となる総額20億ドルの資金提供を受ける予定としており、会員企業のラボ(研究)からファブ(工場)へのギャップを埋める試作を引き受けることになっている。

  • 米国防総省が資金提供して設立された全米8地域の半導体研究・試作ハブ

    米国防総省が資金提供して設立された全米8地域の半導体研究・試作ハブ。主に米国の各地域の著名大学がハブの役割を受け持っている (出所:ME Commons)

今回、支給が決まった2億6900万ドルは、以下の6分野に分配される予定となっている。

  • 量子コンピューティングに関するプロジェクト4件に総額3200万ドル
  • セキュアエッジコンピューティングに関するプロジェクト4件で総額2500万ドル
  • 5G/6Gに関するプロジェクト5件で総額4200万ドル
  • 電磁戦に関するプロジェクト6件で総額5100万ドル
  • 商業的飛躍に関するプロジェクト7件で総額3800万ドル
  • 人工知能に関するプロジェクト7件で総額4200万ドル
  • クロスハブ・イネーブルメント・ ソリューション(CHES) に関して総額3900万ドル