Salesforce、画期的な自律型AIエージェントスイート「Agentforce」を発表

Salesforceは9月13日、自律型AIエージェントのスイート「Agentforce」(英語)を発表した。サービス、セールス、マーケティング、コマースなどの領域で、タ効率、満足度を高める自律型AIエージェントを組織に提供する。

Salesforceが発表した「Agentforce」(英語)は、サービス、セールス、マーケティング、コマース領域のタスクを処理する、画期的な自律型AIエージェントスイート。データの分析、意思決定、顧客サービスに関する問い合わせへの回答や見込み顧客の選別、マーケティングキャンペーンの最適化などのタスクに対して行動を起こすことができる。

人間の要求に依存し、複雑なタスクや複数ステップのタスクが必要なcopilotやチャットボットとは対照的に、「Agentforce」は自律的に動作し、必要に応じて適切なデータを取得。あらゆるタスクのアクションの計画を構築し、人間の介入を必要とせずにこれらの計画を実行することで、より洗練されたサービスを提供する。

「Agentforce」は、車の自動運転のようにリアルタイムのデータを使用して、変化する状況に適応する。また、必要に応じて、会話の要約や顧客の概要、次に何をすべきかの推奨事項を従業員にシームレスに引き渡すことができる。「Agentforce」により、企業は数回のクリックで必要な時にすぐに労働力を拡張できるとしている。

Salesforce 会長 兼 CEO 兼 共同創業者 Marc Benioff氏は、「『Agentforce』はAIの第3の波を象徴するものです。Copilotからさらに進化し、非常に正確で、ハルシネーションが少なく、顧客の成功を積極的に推進するインテリジェントなAIエージェントの新時代を切り拓きます。他のプラットフォームとは異なり、『Agentforce』はあらゆるワークフローにAIをシームレスに統合し、カスタマージャーニーの中心に深く組み込まれた信頼性の高い革新的なソリューションです。つまり、ニーズを予測し、関係を強化し、成長を促進し、あらゆるタッチポイントで積極的な行動を取ることを意味します。他社ではAIをDIYで開発していく必要がありますが、『Agentforce』は即効性と拡張性を備え、それぞれの顧客に最適化されたエンタープライズ対応のプラットフォームを提供します。高度なセキュリティ機能、業界標準への準拠、そして比類のない柔軟性を備えています。当社のビジョンは大胆です。2025年末までに『Agentforce』で10億人の従業員に力を与えるというものです。これがAIのあるべき姿なのです」と述べた。

OpenTable、Saks、Wileyなどの業界をリードする企業は、「Agentforce」の能力をすでに体験しており、例えば、Wileyでは、顧客へのダイナミックな会話型のセルフサービスの提供を支援している。「Agentforce」は、すでに「Salesforce」に組み込まれているWileyのナレッジベースを使用して質問に回答するように構成されているため、アカウントへのアクセスを自動的に解決することができできる。また、登録や支払いの問題を適切に選別し、顧客を適切なリソースに誘導する。「Agentforce」が日常的な問合せに対応することで、Wileyでは以前のチャットボットに比べて問合せの解決率が40%以上向上し、人間のオペレーターはより複雑な問合せに集中できる時間が増えた。

「Salesforce Trends in AI Report」(英語)によると、従業員の労働時間の41%は反復的で影響の少ない仕事に費やされていると推定されている。また、デスクワーカーの65%は、生成AI(英語)によってより戦略的な仕事ができるようになると考えている。

どの企業でも、現在の従業員規模以上に対応が必要な仕事が多く、その結果として多くの仕事に対応できていない、もしくは適切に完了できていない状況となっているとし、「Agentforce」はオンデマンドでキャパシティを拡張できる特性により、過剰な業務に追われるチームを支援し、人間がより高度で付加価値の高い業務に集中できる環境を提供する。人とAIエージェントによるハイブリッドな労働力は、仕事の未来の姿であり、これにより企業は変化し続ける世界で勝ち抜くことが可能になるとの考えを示した。

機能と仕組みの注目ポイントとしては、Data Cloudを中心とした「Salesforce Platform」により「Agentforce」とすべてのSalesforce アプリがあらゆる顧客接点でAIを活用したシームレスな体験を提供する「①Salesforce Platformのイノベーション」、容易なカスタマイズでコーディングなしで導入できる「②すぐに利用可能な自律型AIエージェント」、AIモデルのトレーニングやDIY型のAIプロジェクトのような複雑さやコストが不要で、迅速かつ容易にAIエージェントを構築、カスタマイズ、展開するための豊富なローコードツールによる「③AIエージェントのカスタマイズと迅速な展開」、「Agentforce」のローコードツールを使用したカスタムAIエージェントの構築において、サードパーティ製AIエージェントの展開やサードパーティのアクションを使用するための「④Agentforceのパートナーネットワーク」を挙げた。

「Service Cloud」および「Sales Cloud」向けの「Agentforce」は、2024年10月25日に提供を開始する。日本での「Service Cloud」向け「Agentforce」の提供開始は2024年10月末の予定。「Sales Cloud」向け「Agentforce」の日本での提供開始時期は未定となっている。日本での価格は国内提供開始時に案内の予定だ。