フレグランス製品の製造・販売を行うサンタ・マリア・ノヴェッラの日本法人、サンタ・マリア・ノヴェッラ・ジャパンは、800年のブランドの歴史を武器に、日本市場での事業拡大を目指している。
「2023年8月17日に設立してから1年間で、リテール、マーケティング、バックオフィスなどそれぞれの分野のプロフェッショナルを集めた。今後5年間で、現在の4~5倍の事業規模を目指す。5年間の成長を支えるITシステムと物流体制のアップグレード、日本のマーケットのニーズに対応する戦略的なマーケティング活動、さらには目標にコミットできる強固なチーム編成が必要」(ブルーノ・ベルノンCEO)と話す。
<世界中どこで買っても、同じ感動体験を>
本社直営型の海外展開は、フランスや英国、米国などで既に成功しているが、アジア市場では初となる。
同ブランドのルーツは、13世紀のイタリア・フィレンツェに遡る。修道院で培われた薬局方や自然製剤の技術が、現在の化粧品やフレグランス、ウェルネス分野の商品開発につながっている。
「日本法人設立に当たり、新たに何を始めようかと考えたときに、アイデアを遠くに探しに行く必要がないことに気が付いた。深い歴史に敬意を払い、800年の歴史の中にあるものから採用できればと考えた」(春日亜希CEO)と話す。
今年4月に販売されたオードパルファムコレクションのパッケージは、イタリアの伝統から着想を得た洋書のようなデザインを採用した。外箱は1800年代後半に使われていた同社のカタログの装丁を忠実に再現した。
▲イタリアの伝統から着想を得たデザインを採用
イタリアの本店で購入しても日本のECで購入しても、商品を開けたときの感動体験を同じように提供できることを目指している。
<年内にECサイトをリニューアル>
年内には自社ECサイトをリニューアルする方針だという。レイアウトや機能を見直し、800年の歴史を現代に合った見せ方にしていく。さらに在庫管理やCRMについても新しいシステムを導入する計画だという。
「それぞれの香りにストーリーがある。さらに、フレグランスを吹きかけて終わりではなく、生活の中で香りの多様な楽しみ方ができるのも魅力」(ブランドマネージャー)と語る。
▲伊勢丹新宿店メンズ館のポップアップストアの様子
伊勢丹新宿店メンズ館でポップアップストアを実施し、直接香りに触れてもらう機会を設けている。ほかにも、ECサイトの一部の購入者に2ミリリットルのサンプルボトルを付けるなど、お気に入りの香りを見つけてもらえるよう、工夫を施している。