フルーツギフトEC『蝶結び』、手動チャット対応でリピート率向上 代表自らギフト提案

レトロスペクトは、フルーツギフトのECサイト「蝶結び」開設から半年後の2021年3月に、ユーザーと直接やりとりできるチャット機能を導入している。チャットを利用して購入したユーザーのリピート率は高いという。

導入するまでの半年間は販売に課題を感じていたようだ。

「オンライン上では、品物に触れたり、状態を確かめたりできない。そのため、フルーツをネット購入するハードルは高いと気付いた。価格も5000円から数万円と決して安くないし、ギフト用となるとより一層、慎重に購入を検討する」(杉下峻吾代表)と話す。

杉下代表は百貨店でギフト用フルーツの販売や仕入れをしていた経歴がある。経験を生かし、自ら手動でチャットの問い合わせに対応している。業界を知り尽くした杉下代表が直々に対応するからこそ、一人ひとりに合ったフルーツギフトを提案できている。

チャット機能を利用するユーザーは、購入者の約1~2割。件数にすると1日10件ほどだ。

「夜に問い合わせをいただき、朝イチで返事するのが基本的な流れ。午前中に果物市場に出向いて、旬のフルーツをチェックしてから、すぐに返事をすることもある」(同)と話す。

中元や歳暮、誕生日など年間のイベントに合わせてリピート購入してもらうことができているという。配達日時に忠実かつ柔軟に対応するほか、イベントに合わせた梱包や開封時の見た目にこだわるなど、家庭用の果物通販事業者と差別化を図っている。

「『今年もまたお願いできますか?』という問い合わせをいただくのがうれしい。今後も印象に残るサービスを提供したい」(同)と意気込みを語った。

▲予算に応じて好みのフルーツ詰め合わせにカスタマイズするセットが人気

さらにギフト以外の施策として、希少価値の高いフルーツを販売したことが予想以上に好評を得た。SNSやメルマガを使ってイベントのように売り出した。

「こんなに興味を持たれているのかと驚いた。珍しいフルーツは自宅用に買われることが多かった。ギフトを贈りたい顧客だけでなく、珍しいフルーツに興味を持っている顧客のリストやフォロワーも獲得できた」(同)と振り返った。

同社の強みは、ユーザー1人ひとりに合わせたフルーツギフトでよろこびを提供できることだ。自社の価値を最大化できるよう、今後は分析的なEC事業の運営にも注力していきたいとしている。