【移動型宅配サービスの実証実験】自動配送ロボに宅配便ロッカー「PUDOステーション」搭載

京セラコミュニケーションシステム、ヤマト運輸、Packcity Japanは9月11日、車道を走行する中速・中型無人自動配送ロボットにオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を搭載した移動型宅配サービスの実証実験を北海道石狩市にて開始する。多様化する荷物の受け取りニーズに対応した新しい移動型宅配サービスを検証し、効率的な配送サービスの可能性を追求を目指す。

京セラコミュニケーションシステムは、道を走行する自動配送ロボット(自動走行ロボット)を活用したモビリティサービスの開発に取り組んでいる。中速・中型無人自動配送ロボットを活用し、地方自治体や企業と協力して技術開発・サービスの提案、検証を進めており、実用化に向けさまざまなサービスに適用するべく汎用性を高めている。

このほど、ヤマト運輸、Packcity Japanとともに、車道を走行する中速・中型無人自動配送ロボットにオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を搭載した移動型宅配サービスの実証実験を開始する。

▲サービス利用の流れ

ヤマト運輸は、持続可能な社会の実現やお客さまの利便性向上に向けて、2022年から京セラコミュニケーションシステムと共同で中速・中型無人自動配送ロボットによる個人向け配送サービスの実証実験を行っており、地域物流支援サービスの実用化に向けた検証を進めている。

一方、Packcity Japanは、多様化するライフスタイルに対応し、利用者が「受け取りたい場所」で、「受け取りたい時間」に荷物の受け取り・発送ができるオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を運営しており、さらなる利便性と快適さの提供を目指している。

9月11日~10月下旬にかけて実施する今回の実証実験では、京セラコミュニケーションシステムが実証実験に関する企画・管理・調整、無人自動配送ロボットの開発・運行管理を担う。ヤマト運輸は無人自動配送ロボットを活用した移動型配送サービスの実施、Packcity Japanは「PUDOステーション」の開発・運用をそれぞれに担う。

今回の実証実験は、北海道石狩市緑苑台東地区にて実施し、対象地域のクロネコメンバーズ会員は、宅急便の受け取りで無人自動配送ロボットに「PUDOステーション」を搭載した移動型宅配サービスでの受け取りを選択できる。

▲走行予定エリア

ロボットへの荷物の積み込みはヤマト運輸の従業員が行い、受け取り手は自宅付近の宅配ポイントにロボットが接近すると届く通知を目安にロボットから荷物を受け取ることになる。

この実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募し、2022年6月に京セラコミュニケーションシステムが採択された「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」の取り組みの一環として実施するもので、実験を通じてEC市場などの拡大に伴い多様化するライフスタイルに対応するとともに、地域特性に適した無人自動配送ロボットの社会実装に向け、新たな配送サービスの実現を目指す。

さらに無人自動配送ロボットを活用した地域物流支援サービスの実用化に向けた実証実験を継続し、地域協調を基本とした持続可能な未来のまちづくりに貢献する。

物流分野では、EC市場の拡大などにより宅配便個数が増加する一方で、将来的な輸送力不足が懸念されている。特にラストワンマイル配送においては、多頻度小口配送やドライバー不足などの課題解決策として、積載量や配達効率の向上が期待できる「中速・中型」自動配送ロボットを活用した配送サービスの社会実装が期待されている。

京セラコミュニケーションシステム、ヤマト運輸、Packcity Japanの3社は、今回の実証実験を通して、人手不足の解決やライフスタイルの変化、非対面受け取りの需要拡大など、多様化する荷物の受け取りニーズに対応した新しい移動型宅配サービスを検証し、効率的な配送サービスの可能性を追求していく考えを示した。