ビームスはこのほど、自社最大の物流拠点「ビームス ウエアステーション」において、東京都江東区新砂から同区塩浜(深川地域)に拡張移転し、2024年9月下旬から全面稼働すると発表した。
【<画像18点>「ビームス ウエアステーション」の詳細を画像で紹介】
東京・原宿で創業したビームスは、1号店「American Life Shop BEAMS」に続き、世界のさまざまなライフスタイルをコンセプトにした店舗を展開。ファッション・雑貨・インテリア・音楽・アート・食品などにいたるまで、国内外のブランドや作品を多角的に紹介するセレクトショップの先駆けとして時代をリードしてきた。日本とアジア地域に約170店舗を擁し、モノ・コト・ヒトを軸にしたコミュニティが織り成すカルチャーは各地で幅広い世代の支持を得ている。
このほど、自社最大の物流拠点「ビームス ウエアステーション」を東京都江東区新砂から同区塩浜(深川地域)に拡張移転し、9月下旬から全面稼働する。
「ビームス ウエアステーション」は、物流機能における入出荷を行うほか、自社ECサイト用の撮影スタジオやカスタマーサービスデスクなどの機能を備え、延床面積は移転前のおよそ2倍の約9000坪となる。
▲「ビームス ウエアステーション」が入居する施設
今回の拡張移転に伴い、江東区南砂町のサテライト機能も同拠点内に集約し、全面稼働予定日の2024年9月25日以降の同社物流は、東日本エリアを「ビームス ウエアステーション」(東京都江東区)、西日本エリアを「ビームス 関西ロジスティクスセンター」(大阪府交野市)が、主として担う体制になる。
今回の全面稼働に合わせて「ビームス ウエアステーション」は、複数の先端自動化システムを新たに導入しており、世界初導入となるリニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」、自律型ケースハンドリングロボットシステム「HaiPick SYSTEM」などの稼働により、将来の国内労働市場における生産年齢人口減少を見据えた自動化による省人化を進めるとしている。
▲リニアモーター式ロボット「CUEBUS(搬送タイプ)」を世界初導入
「CUEBUS(搬送タイプ)」は、タイルと呼ばれるリニアモーター内臓のユニットを物流センター床面に置き、そのタイル上を移動するトレイが商品を載せて搬送する。ビームスの新物流拠点では、「CUEBUS」を入荷工程に導入。トレイを2枚同時に協調制御することで、これまで自動搬送が難しかった「Zラック」の搬送自動化が可能となった。さらにロボットが搬送されるタイル上に自動検品ゲートを設置し、商品タグに取り付けられたRFIDタグを自動で読み取ることで、検品を自動し、作業効率の向上を実現している。
▲自律型ケースハンドリングロボットシステム「HaiPick SYSTEM」など先端自動化システムを導入
「HaiPick SYSTEM」は、物流業務の一連の流れである商品の入庫・保管・出庫を自動化するもので、高さ約4.7mのラック、自律型ケースハンドリングロボット(ACR)、「HAI PORT Workstation」のモジュールで構成されている。「ビームス ウエアステーション」のエリア内には57台のACRが稼働し、1台で複数のコンテナの入庫または出庫が可能だ。
▲1台で複数のコンテナの入出庫が可能
新物流拠点では、「HaiPick SYSTEM」の導入により天井高を有効に活用することで多品種少量の商品を効率的に保管し「HAI PORT Workstation」と呼ばれるステーションまでACRが商品を搬送してくるGTP(Goods To Person)方式を取り入れ、次工程には自動仕分け可能なソーターシステムをつなげることで、店舗および自社EC顧客の仕分けを同時に実現している。
▲約350坪の撮影スタジオも備える
近年、ビームスグループは、アパレル、雑貨、家具、アートなどを扱う国内外約170店のセレクトショップ運営のほか、オリジナル商品の海外向け卸事業、企業・自治体とのBtoB(企業間取引)を伴う協業など、その業容を戦略的に広げており、「ビームス ウエアステーション」の拡張移転と先端自動化システムの導入は、物流面における今後のビジネスへの持続的な対応を図るものとなる。