ヤマハ発動機は9月10日、完全ベルトレス構造のスカラロボット「YK-XG」シリーズとして、大型物・重量物の組立や搬送に適したアーム長1200mm、最大可搬質量50kgの「YK1200XG」を追加し、専用コントローラ「RCX341」とあわせて2024年10月より発売すると発表した。
YK-XGシリーズは、完全ベルトレス構造によりロストモーションを削減し、高精度を長期間維持できることが特徴なスカラロボット。YK1200XGは、アーム長1200mm、最大可搬質量50kgのスカラロボットとして、業界最速レベルの標準サイクルタイム0.92秒(可搬質量40kg)を実現したとするほか、減速比やモータ最高回転数の見直しなどにより、従来機種比で最高速を向上したほか、先端回転軸が減速機に直結した構造により、減速機とベルトからなる一般的な構造よりもR軸許容慣性モーメントが高く、オフセットされたワークでも高速動作を可能にしたという。
また、ZR軸ダイレクトカップリング構造により完全ベルトレス構造を実現したことで、ロストモーションの削減を果たしたほか、ベルトの破損、伸び、経年劣化の心配をすることなく長期間メンテナンスフリーで使用が可能だとする。
さらに専用コントローラとなるRCX341は、従来の「RCX340」同等のコンパクト設計ながらコントローラ内部の構成およびインバータ回路を見直すことにより、最大出力電流を増大させることに成功。YK1200XGの重量物搬送の高速性を安定的に支えることを可能としたという。加えて、制御盤内への設置を考慮し、回生ユニットも80mm×195mm×130mmと高さと奥行きをコントローラ(355mm×195mm×130mm)とそろえたモデルを用意したとしている。
主な用途としては車載電池のハンドリングや大型ワークのパレタイズなどとしており、発売から1年間で国内外合わせてYK1200XGとコントローラ併せて1000セットの販売を目指すとしている。