「Gemini」はGoogleが提供している生成AIベースのチャットサービスである。もともとはGoogle Bardという名称だったが、2024年2月にGeminiに改名され、それと同時により高度な機能が使える有料版の「Gemini Advanced」もスタートした。それでは、GeminiとGemini Advancedは何が違うのだろうか。Android Policeの記事「Google Gemini vs. Gemini Advanced: 7 key differences explained」では、両者の主な違いを7項目にわたって取り上げている。
Gemini Advancedはより高性能で機能も豊富
Geminiはすべてのユーザーが無料で利用可能だが、Gemini Advancedを利用するにはGoogle Oneの有償プランである「AI プレミアム」プランに加入する必要がある。その上で、Android PoliceではGeminiに対するGemini Advancedの主な違いとして、次の7項目を挙げている。
- Gemini Advancedが処理できるトークン数は1,000,000トークンで、Geminiの30倍以上
- より高性能なLLM (大規模言語モデル) である「Gemini 1.5 Pro」を利用可能
- Gemini AdvancedはGoogleのアプリやサービス全体には統合されている
- 音声でのプロンプト入力が可能な「Gemini Live」を使える
- Gemini Advancedユーザーは新機能に優先的にアクセスできる
- AI プレミアム プランには2TBのクラウドストレージが付属している
- 毎月20ドル(日本では2,900円)の利用料が必要
Gemini Advancedの最も大きな魅力は、処理できる情報量と、LLMの性能だろう。無償版のGeminiが処理できるトークン数は32,000トークンで、ヘビーユーザーにとって決して十分とは言えない。それに対してGemini Advancedでは1,000,000トークンを処理可能であり、これはGPT-4やClaude 3と比べても非常に多い。
内部で利用されるLLMも大きく異なり、Geminiが「Gemini 1.5 Flash」を使用するのに対して、Gemini Advancedではより大規模なデータセットを持つ「Gemini 1.5 Pro」が使用される。そのためGemini Advancedでは、プログラムのコードの作成や、数学の問題を解くなど、複雑な処理に対してより優れたパフォーマンスを発揮する。
有償プランということもあり、全体的にGemini Advancedが極めて豊富な機能を備えており、優れた性能を発揮する。月額2,900円という利用料金は決して安いものではないが、コード生成やデータ処理、大量のテキストの編集や分析などのタスクを抱えている人は、Gemini Advancedのサポートが役立つだろう。Android Policeは、Gemini Advancedで節約できる作業時間が1カ月あたり1時間以上になるならば、有償プランに加入する価値があると結論付けている。