【3億円調達】花と観葉植物EC「AND PLANTS」のDomuz、花卉産業のDXに切り込む

観葉植物と花のECサイト「AND PLANTS(アンドプランツ)」を運営するDomuz(ドムズ)は今年7月、デジタルギフトサービスを提供するギフティやベンチャーキャピタルなどを引受先として、3億円を調達した。

2021年5月に提供開始した個人向けECサイト「アンドプランツ」を主軸として、2023年からは花卉(かき)産業向け卸マーケットプレイス「ハナイチ」も展開している。調達資金は両事業の拡大に充てる。BtoCとBtoB、双方の事業を手がけることで、中長期的には花卉市場のDX推進に取り組みたいとしている。

<「パーソナル植物診断」で個々に合った花や植物を提案>

「アンドプランツ」はサービス開始から3年間で累計発送点数が3万5000を超えた。部屋の日当たり、ペットの有無、置きたい場所など、暮らしの条件に合わせて最適な植物を診断する「パーソナル植物診断」の機能を備えているのが特徴だ。

▲花と植物の個人向けEC「アンドプランツ」

高木代表自身も花や観葉植物を趣味で収集しており、SNSで発信していた。コロナ禍における需要の拡大とともに、友人からお薦めの植物や選び方を尋ねられる機会が増え、サービス開発のきっかけになったという。

「コモディティ化しているように見える花や観葉植物だが、いざ買うとなると多くの疑問や迷いが生まれ、購入のハードルが高くなることに気が付いた」(高木代表)と話す。

主なターゲット層は上質な暮らしの中で植物をインテリアのように楽しむ30~40代だ。ファッション性の高い北欧デザインの鉢植えを採用し、届いた日にすぐに飾れるようにしている。

自社のドライバーを3人採用し、宅急便で送れない商品や急ぎの商品に対応するなど、配送料を抑える工夫も行っている。

<花卉産業におけるDX推進の意義と可能性>

「現状、国内の花卉産業の市場規模は1兆1000億円ある。ただ、EC化率はわずか3.8%と低い。国内の他の業界のEC化率が9%であることを考えると、今後、まだまだ伸びる。花卉産業のEC化率が1%でも高まれば、単純計算で110億円。ここを『アンドプランツ』で取りたい」(同)と事業の可能性を語った。

BtoB事業「ハナイチ」は、花や資材をオンラインでまとめて購入できるプラットフォームとなっている。小売店の仕入れに関する課題を解決したいとしている。

▲商品のみならず、資材も購入できる法人向けEC「ハナイチ」

「現状では小売店やフラワー事業者が生花市場に足を運んで花を仕入れるのが主流だが、この仕組みでは、せっかく市場に出向いても目当ての花がなかったり、状態が悪かったりすることもある。鉢植えや備品などは他の会社に発注しなければならないなど手間もかかる」(同)と語る。

今後も「ITとデザインでみどりのある暮らしをもっと身近に」という自社のミッションを実現するべく、資金調達や協業を積極的に行っていく計画だ。