アパレルECの夢展望、海外展開を本格化 米国、中国、韓国、台湾の主要事業者と連携

ECを中心にアパレル事業を展開する夢展望はこのほど、 米国、中国、韓国、台湾の主要な事業者と連携し、越境ECを開始した。 販売拡大を目指し、本格的な海外展開をスタートした。

夢展望は、「『カワイイ、カッコいい』を安心して手軽に楽しんでもらいたい!」をコンセプトに、ECを中心にアパレル事業を展開している。

このほど、本格的な海外展開を米国、中国、韓国、台湾エリアより開始した。各エリアの大手事業者を中心に段階的に連携を行い、8月より越境ECをスタート。各エリアにおける本格販売を開始した。

「地雷系」「量産型」商品カテゴリーを象徴する夢展望の主力ブランド「DearMyLove」を中心に、ブランド・商品の認知、およびファンの拡大を目的に、現地における主要な事業者と連携し、それぞれの強みを活かして展開を推進する。

米国エリアにおいては、 多言語対応、海外決済、国際配送、集客と越境ECをトータルで支援する、ZenGroupの集客支援型越境ECバナー「ZenLink」と連携する。

従来より米国では、根強いロリータファッションファンが存在しており、夢展望は「地雷系」「量産型」を軸に展開する自社ブランド「DearMyLove」には、こうした米国ファンの興味を喚起するポテンシャルがすでにあるとの認識を示した。

「ZenLink」の米国における広告ノウハウを活用し、より効果的な集客方法を早期に確立するとともに、米国の消費者にコンセプトや世界観を共感してもらえるよう商品コンテンツを拡充する。「DearMyLove」は、6Lなどの大きいサイズもデザイン豊富に展開しており、日本発のカワイイ×サイズ展開のバリエーションも強味の1つとして、米国の消費者にアピールする。また、両社で連携し、米国エリアの顧客に通常よりも物流コストを抑えた配送を提供する。

中国エリアでは、日本の商品を中国を中心に海外展開するインアゴーラと連携し、インアゴーラが運営する「豌豆公主(ワンドウ)」アプリに加え、中国大手の短尺動画プラットフォーム「抖音(Douyin)」やSNSプラットフォーム「小紅書(Redbook)の越境EC旗艦店を活用した販売を展開する。

インアゴーラが独自のアプリ展開で培ってきた、中国の顧客に向けたマーケティングやコンテンツ制作に関するノウハウは、中国においてまだ新しいファッションカテゴリーである「地雷系」「量産型」の新規顧客の開拓に非常に有効だとの考えを示した。

著名なKOL(キー・オピニオンリーダー)を起用したライブコマースを積極的に展開し、日本独自のカワイイを20代の消費者を中心に周知し、「抖音」や「小紅書」など中国国内で圧倒的な集客力を持つプラットフォーム上で情報を伝播させてファンの獲得を図る。

さらに夢展望は、インアゴーラの知見とネットワークを活用し、「小紅書」に夢展望の公式アカウントを開設し、顧客との信頼構築、および利便性の向上を推進する。

韓国エリアにおいては、リテール、フードデリバリー、OTT動画ストリーミング、フィンテックサービスを提供するアジア最大級のコマース企業の1社であるクーパン(Coupang)と連携する。

現在、韓国においてはキャラクターグッズがブームとなっている。一方で、転売行為が横行し、ネットショップやSNSなどで価格を上乗せして販売されるケースが増加。価格が不当に高騰しているケースもあると言われている。夢展望は、今回の連携により正規の販売ルートを確立でき、新作や人気商品であっても、迅速かつ適正な価格で消費者に届けることができる。

クーパンからは、サンリオなどの強いキャラクターとコラボレーションしてきた国内実績を評価されており、夢展望はこのノウハウを用いて、韓国の人気キャラクターと新たな「コラボグッズ」を手がけることを企画している。

韓国の顧客の嗜好に合わせた独自の商品展開を図り、適正な価格で迅速に商品を届けることで、中長期的に韓国マーケットにおけるシェアの向上を目指す。

台湾エリアにおいては、台湾証券取引所へ上場し、台湾で圧倒的なシェアを持つ台湾大手のECグループPChome Online Inc.の子会社である比比昂(ビビアン/bibian)と連携し、台湾の消費者がビビアンを通じて手軽に日本の商品を購入できる代理購入サービス「BB Checkout」を活用する。

台湾には、日本文化に精通した親日家が多く、ファッションカテゴリー「地雷系」「量産型」の認知度はすでにあることに加え、「DearMyLove」においても一定の台湾の顧客が存在するため、台湾での商品販売においては顧客の利便性を最も重要視した。

ビビアンは、台湾において業界最安値の国際送料運賃、多様な決済方法、5大ショッピング保証など高品質なサービスを提供しており、ビビアンを通じて台湾の顧客に商品を販売することが現状における最適解であるとの見解を示した。

今後、台湾の顧客がビビアンで「DearMyLove」を始めとする夢展望の商品を注文すると、ビビアンが顧客に代わり夢展望で商品を購入する。ビビアンは、日本に国際物流倉庫を置いており、そのスケールメリットを活用した国際配送を行うため、台湾の顧客は迅速かつリーズナブルに商品を受け取ることが可能となる。

夢展望は、近年、海外戦略の一環として、海外アンバサダーをさまざまな国から広く起用するなど、海外展開を見据えブランドの認知拡大を図ってきた。

海外における日本製品の売上は年々飛躍的に伸びており、中でも夢展望が手がける日本独自のファッションカテゴリー「地雷系」「量産型」の商品は、2023年度(2023年4月~2024年3月)の海外顧客向け出荷金額は前年同期比の263%、出荷数は同242%と大幅に伸長している。

2024年5月に海外展示会の第1弾として中国・深センにて行ったエキシビジョンにおいても、中国および米国、ASEANへ越境ECを展開しているバイヤーやディストリビューターから、高い評価、および予想以上の反響を得た。

海外展開をより効率的に実装させるべく、エリアごとの販売戦略を構築しており、展開始動エリア、各エリアの販売パートナー、各事業者の強みを活かした販売戦略を策定した。引き続き、海外販路の拡張を積極的に進め、自社が展開する各商品の販売拡大を推進していく考えを示した。