兼松は7月26日、セキュリティ人材の育成・強化のため、グローバルセキュリティエキスパート(GSX)が提供するサイバーセキュリティ教育講座を、グループを含む役員・従業員の約2000人に実施することを発表した。

1人ひとりがサイバーセキュリティに対する知識を習得し、意識を高めることを第1歩として、グループ一体経営の強みを活かし、取引先に対するセキュリティ対策の需要へ応えることを目指す構え。

実施の背景

サイバー攻撃が巧妙化し、連日ニュースで話題になるなど、規模の大小や場所を問わず日常的に発生している。また攻撃対象となる企業・組織は年々増えており、対策すべき範囲や内容は変化し続けている。

このような背景から、兼松は4月に日本のセキュリティ業界全体を盛り立て、セキュリティ攻撃から日本を護るべく、ウエルインベストメント、兼松エレクトロニクス(KEL)、GSXの3社と共同で、セキュリティ企業に特化したファンド「日本サイバーセキュリティファンド1号投資事業有限責任組合」を創設した。

さらに、同月から開始した3カ年の中期経営計画「integration1.0」においては、目指す姿を「効率的かつ持続可能なサプライチェーンの変革をリードするソリューションプロバイダー」と掲げている。

  • 日本サイバーセキュリティファンド1号投資事業有限責任組合のイメージ

    日本サイバーセキュリティファンド1号投資事業有限責任組合のイメージ

DX支援を実現するためのセキュリティ人材育成

今回の講座の受講は、GSXのオンライン講座「ゼロトラストコーディネーター研修」を活用して、「社内外問わず、無条件に信頼できるものは存在しない」というゼロトラストのモデルを理解し、共通イメージを持って顧客にDX(デジタルトランスフォーメーション)・セキュリティ関連の提案ができることを目的としている。主な受講対象は、役員および営業職の従業員。

  • 受講のイメージ

    受講のイメージ

9月までに累計830人が講座の受講を完了する予定で、グループ会社であるKEL・日本オフィスシステムでは、すでに約600人が受講しているという。今後は、KELやGSXと連携してさらに受講の対象範囲を広げ、グループ全体の受講人数は、最終的に2000人以上となる予定となっている。

同社は、これからもグループが一体となって、重要な無形資産である2万社以上におよぶグループの取引先へ最適なセキュリティ対応の提供ができるよう、引き続き人材育成を進めていきたい考え。