「DIC(Display Innovation China)2024」が、7月2日から上海浦東の上海新国際博覧センター(SNIEC)にて開催されている。

フォーラム(会議)が7月2日から、エキスポ(展示会)は7月3日から5日までの会期である。中国内での最大規模のディスプレイイベントであり、中国のディスプレイ産業の全容を掴むことことができる。

フォーラムのオープニングでは、中国側主催者である中国光学光電子行業協会液晶分会理事長・BOE科技集団董事長の陳炎順氏と日本側主催者である日経BP取締役の藤田憲治氏の冒頭の挨拶からスタートし、2日間で30件を超える講演が行われた(図1)。講演の内容は、ディスプレイ分野に留まらず、産業界の広いテーマが取り上げられている(DICフォーラム2024のプログラム)。

  • DICフォーラム2024 オープニングの会場風景

    DICフォーラム2024 オープニングの会場風景。中国側主催者である中国光学光電子行業協会液晶分会理事長・BOE科技集団董事長の陳炎順氏と日本側主催者である日経BP取締役の藤田憲治氏の開会の挨拶 (写真は主催提供)

エキスポでは、SNIECの巨大な展示会場の中の2つの建物に、200社を超える企業が出展している(図2)。出展企業は、BOEなどの中国パネルメーカーを中心とした中国企業がメインであるが、日本からもジャパンディスプレイ(JDI)をはじめとした複数企業が、日本パビリオンにて自社の技術を披露している。

  • DICエキスポ2024の会場風景

    DICエキスポ2024の会場風景。(右側)日本パビリオンの展示ブース。日本パビリオンにはJDI、JNC、カンケンテクノ、レゾナック、キヤノン、藤森工業、昭栄化学/Nanosysが出展(現地パートナー撮影)、(左側)展示会場入り口(左上)、SNIECのE6館の会場内全景(下)、BOEブース(右上)。パネルメーカーは、HKC、天馬、Visionox、IVOが出展。その他、中国の部材メーカーや設備メーカーなども多数出展 (主催者提供)

JDIは、「METAGROWTH 2026」を支えるさまざまな技術と製品を展示した。その中の3つの内容がアワードを受賞している。

参考:JDIのeLEAPと2527ppi超高精細LCDが中国DIC EXPO 2024でアワードを受賞

「超高輝度(1600nit)14型ノートPC用シングル構造eLEAP」(ディスプレイデバイスイノベーション大賞、金賞)、「超高精細VR LCD 2.15型2527ppi」(ディスプレイデバイスイノベーション大賞、銀賞)、「Rælclear 透明液晶ディスプレイ」(ディスプレイ応用イノベーション大賞、金賞)である。また、CTOの仲島義晴氏が、これらの製品を含めたJDIの「METAGROWTH 2026」全体に関して技術講演を行い、展示会参観者および講演聴講者の高い関心を集めていた。

  • CTO仲島義晴氏によるDICフォーラムでの技術講演の様子

    DICエキスポ日本パビリオンでのJDI出展内容とCTO仲島義晴氏のDICフォーラムでの講演。JDIブースの初日の様子(左下)とアワードを受賞したeLEAP、超高精細VR LCD、Rælclear透明液晶ディスプレイ。この他にも、最近発表したばかりの新しい入力デバイス「ZINNSIA」や、照明LumiFree、超高精細2Dセンサ、車載用の2VD(2ビジョンディスプレイ)などの最新技術を披露した。中央下の写真は、CTO仲島義晴氏によるDICフォーラムでの技術講演の様子(展示の写真は現地パートナー撮影)